クレームと詐欺

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さて、前回紹介したようなぶっかけ系の事故は飲食店では非常に起こりやすく、額も大きくなりがちです。
私のように「最大限努力しなければ」と思ってしまうと、無制限に大事な時間と、お金がかかってしまいます。
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あらかじめ、「ここまでは出来るが、それ以上は訴えられても無理」という範囲を決めてしまう事と、弁償で済ませられるレベルなら(例えば保険で対応出来る、又は小額)、長引かせず、その日のうちに金銭的に解決してしまうのがベストです。
ただ、私が経験した次のケース、いわゆる詐欺には気をつけて下さい。
とある祝日のランチタイム。店は大賑わい。一人のお客様(60代)くらいが大きな声で従業員を呼んでいる。
話の内容は、
「料理に食器の破片が入っていた。お陰で口の中を切った。どうなってるんだ」
と口から血を含んだ唾を出し、衣服が汚れている。
「お前が店長か!どうしてくれるんだ!俺は今すぐにでも保健所に行くぞ」
当時私はまだ20代。「保健所」の言葉と圧倒的大声のこの人にびびりまくっていた。
食器の破片は白っぽく、確かに店のかもしれない。とりあえず、他のお客様の目もあるので、個室に移動してもらった。
「申し訳ございません。治療費などについては会社に相談させてください」
と、決まり文句を言ってみたが、
「ふざけるな!治療費もそうだが、この服はどうしてくれるんだ。娘に誕生日に買ってもらった大事な服で、値段の問題じゃねぇんだぞ」
そして、たたみかけるように、
「俺は別に保健所行ってもいいんだ。そしたらこんな店、すぐにつぶれちまうぞ!こらぁ!」
大声の恫喝ですっかり頭は真っ白でした。今の私なら、この時点で「脅迫罪」が成立すると誰かに録音でもさせるのでしょうが、当時の私にそんな知識はありません。
しかし、この人は突然、おとなしくなり、
「おい、店長さんよ、そうなったらお前だって会社にいられなくなるだろ、俺だってそんな面倒な事はしたくねぇんだ」
あれ?と思っていると、
「こっちは出張でこっちに来てるんだ。しかも今日、東京に帰るところだ。本社かなんか知らないが、向こうに行った後で、だらだらやられるのはたまったもんじゃない。こっちだって忙しいんだ。」
「なぁ、店長さんよ、お前の気持ち次第では、保健所もいかねぇし、慰謝料もいらねぇ。そしたらお前だって、会社にこの事は言わなくてもいいだろうし、全て丸く収まるよな。」
まぁ、全国の「異物混入詐欺」のパターンの王道ですね。
1、まずは店が混んでる状況で事を起こし、大勢の前で怒り出す。
2、保健所に行く、他にも、これが原因で自分の服が汚れたと騒ぐ。
3、大声で散々脅した後に、自分で妥協案を出す。しかし「金を払え」とは言わない。その時点で脅迫罪になると知っているから。
なんて事、私も知らなかったのですが、それ以上に、「気持ち次第」というのがわからず、困っていると、「誠意を見せろ」と言ってきました。
・・・・馬鹿ですね。誠意を持って謝れば良いんだと解釈し、その場で土下座しました(笑)。
当然、相手はまた怒り出し、
「そうじゃないだろ、ほら、わかるだろう、お前だって店長なんだ、他の人間よりはそれなりにもらってるだろうよ」
それで、ようやく、あぁ、お金を払えばいいんだ、ということに気づきました。でも、いくら払えばいいかわかりません。
「だからお前の気持ち次第だよ」
財布の中にちょうど一万円札が入っていました。とりあえずそれを封筒に入れて渡すと、少し不服そうでしたが、とりあえずもらっておく、と席を立とうとしました。
一応、後日何らかの対応をするかもしれないので、と電話番号と名前を伺った。

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会社には黙っておこうと思ったが、他のスタッフの面前の出来事なので、何かの拍子にばれるだろうからと、上司に全てを打ち明けた。
「お前、ばかだなぁ。それって詐欺だと思うぞ。」
それが全国で広がっている詐欺の手口だとその時教えられ、試しにその番号に電話するも、やっぱりつながらず。
悪質なクレームを装った詐欺に対抗するには、知識、それしかないです。それを機に、私はクレーム関連の本を読み漁りました。

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