飲食経営コンサルタントの功罪

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うちの店の道路を挟んで向かいの「スープ専門店」がつぶれました。まだオープンして2年くらいしか経ってないのに。おしゃれな内装と有機栽培の野菜たっぷりのスープ、そして手造りのパン。オープン当初はそれなりにTV、雑誌でも紹介され、繁盛してまいしたが末期には営業しているのかどうか分からないくらい閑散としていたように思います。

※写真は本文と関係ありません。

なにが問題って、そこの店の経営をコンサルティングしているのがウチの会社をコンサルしている会社とおんなじ会社なんです。

たまたま、うちの店にそのコンサルさんがご飯を食べに来たので、そのスープ屋さんの顛末を聞いてみた所、

「いい店だったんだけど、オーナーが我々の提案どおりにやってくれなくて・・・。」

と、愚痴をこぼしておりました。

ところが、このコンサル、うちの会社でもよく、

「この間の提案が活かされてませんね。」

「もうあの商品辞めちゃったんですか?これからのトレンドなのに。」

と、現在全体的に業績の伸び悩んでいるうちの会社によく苦言を申し入れてくれるそうです。

話をまとめれば、

「おたくらの業績が悪いのは、こっちのいう通りにやらないからだ!」

とでもいいたいのでしょうか。

ただ、いつも店長会議やミーティングにたまに顔を出しては、他の店の成功事例を持ち出して、

「これで一気に30%売上が上がりました。」

だの、

「客単価が1,000円近く上がりました。」

だの勢いのいい事は言うのですが、じゃあ、業態の違ううちの店ではどうやったらいいんですか?と聞けば、

「それはそちらで話し合って決めてください。」

と、けんもほろろ。

勿論、会社にはそれぞれ文化があるし、どうやるかぐらい自分らで考えろという話も分からなくは無いです。ただ、こちらはそれを理解できないから聞いているんだろうし、高いお金を払って雇っているコンサルが具体化するのも仕事のうちだろうと私は考えます。

提案を継続できないのも、継続できない理由が個々の店にはあり、なぜ継続できなかったのか、どうすれば末端まで落とし込みやすくなるかを、得意の過去の成功事例で分析して提示して初めて高い報酬に見合った仕事だろうと思うのです。

それらを何もせず、我々は最適な手法と、その店にあった成功事例を提示した。あとはお店の不断の努力で継続することが商売の基本だ、という理屈は正論でしょう。でもね、それが出来ないから貴方達、雇われたんじゃないの?そんなに皆理解力と継続力があるんだったら、コンサルに頼らなくても繁盛店になってるはずです。

すっかり空になった元スープ屋を眺めながら、思うのです。飲食やるより、コンサルの方が楽な商売だな、と。自分達はそんなんじゃない!っていう経営コンサルタントさん!ごめんなさい!

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