飲食店店長の東北の地酒個人的素人レビュー 福島編

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さてさて、東北人らしく東北の地酒を勝手に評価してきましたが、ここいらでひと段落です。福島のお酒。

2011年の東日本大震災以降はしばらく酒蔵の全壊の影響の他に、福島第一原発の放射能事故の風評被害のおかげで東北6県の中では一番復興に時間がかかった県だと思います。事故前からもともと福島のお酒は全国的にも評価が高く、歴史有る酒蔵と新鋭の酒蔵が切磋琢磨する酒造りの国でした。それではそんな福島のおすすめのお酒をいくつか。

飛露喜 廣木酒造

歴史ある蔵ですが、この銘柄が出るまでぱっとしない酒蔵で、廃業寸前までいった蔵ですが、9代目が造ったこの「飛露喜」で一発逆転です。一気に全国区になり、いまや入手困難なお酒の一つになりました。主力品目は 「飛露喜 特別純米」。

基本、マイルド路線の口当たりなので、最初はこんなもんか?と思いがちですが、杯を重ねていくと、古の日本酒らしいパンチが効いてきます。分かりやすく言うと、口当たりワインで飲んでいくと日本酒、あ、余計に分かりにくいですね。

あわせる料理としてはあまり合わない料理は無いような気がします。ただ、だらだらと長く飲めるお酒なので、ずっとテーブルの上にあっても問題ない、漬物系、チャンジャ、乾き物あたりがありでしょうか。

奈良萬 夢心酒造

福島のお酒といえば、これは外せない、という地元のファンが多いのがこの奈良萬。

徹底しているコンセプトとして、地元の米と水、そして地元で開発した「うつくしま夢酵母」、全て地元のもので造り上げているのがそれらしいです。

定番商品でも季節商品でも「無ろ過」や「生酒」をよく目にするので、その辺が特徴なのでしょうか。事実私もよく取り扱うのはそっち系だったりします。

強すぎない吟醸香と日本酒らしい力強いコクは、根っからの日本酒好きにはおすすめの一品でしょう。

あわせる料理としては、ここは地魚の海鮮系、といいたいところですが、まだまだ福島近海の鮮魚は厳しい風評被害にさらされているようで、せっかく水揚げがあっても、仲買の業者さんは手を出さない状況が続いているようですね・・・。

天明 曙酒造

福島のお酒では個人的に一番好きな銘柄です。

この仕事をする前は全く聞いたことが無かった銘柄なのですが、酒屋のおじさんに勧められるまま仕入れしてみた所、口当たりがフルーティなのに、余韻がドライな日本酒の感じでしっかりと酸味がインパクトをつけております。

飛露喜でも似たような感想を書きましたが、こちらのほうが入手は容易なので、個人購入の際はこちらの銘柄をチョイスします。

何をあわせるか、といった所が相変わらず悩ましいですが、ここはお酒の味を心行くまで楽しみたいので、大きく主張してこない「豆腐」にシンプルに塩と刻んだ大葉をちょっと乗せていただきたいところです。

以上、東北の地酒個人的素人レビューでした。あくまで個人的な感想なので、しかも利き酒師の資格も持ってません。ただの素人の感想ですので、異論反論あるでしょうが、ここは一つ、ご容赦下さい。

それではまたの機会に。

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