迂闊な割引券はクレームの元

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よくお会計の際にレジで渡される次回のご利用がちょっとだけお得になる割引券。ドリンク一杯無料になるものから、お会計がちょっとお得になる値引き系。この他にもタウン誌に「切り取って使って下さい」形のものや、インターネットで配信されるクーポン、DMなんてのもありますね。

なんとかリピーターを作ろうと、または新規顧客を呼び込もうとする施策なのですが、これがまた非常に面倒くさいクレームの元になったりします。

一番多いのが、そのクーポンに記載されている説明書きに不備があったために起こる、「なんで使えないんだ!どこにもどんなこと書いてないじゃないか!」的なトラブル。

もちろん発行側のミスによるものなので、仕方ないだろ、と思われがちです。確かに、有効期限が間違っていたり、使えるお店の店名が限定されてないとか、それなら話はわかります。

ただ、「普通に考えればわかるだろ」という項目でも、一つ記載がされてないだけで、思いっきりその不備を突いてくるのが困りものなのです。以下は実際にあったケースです。

<事例 1 対象外商品には使えないと書いてない>

お店によって、その日、あるいは期間、数量限定のサービス品みたいなものがあるお店は多いと思います。たいていその商品は利益は度外視で、通常よりも商品原価は高く、宣伝効果を狙ったものであったりします。ランチタイムの限定セットや、キャンペーン期間中のフェアメニューなどがそれだったりします。当店も、その商品に関してはただでさえ儲けが少ないので、

「割引対象外商品、こちらの商品は割引券、サービス券はご利用になれません」と明記してありました。

ところが、ある日、、その商品を注文した1人の男性客がレジでの支払いのときに、使えないはずの割引券を出してきました。

当然、レジ担当者は、

「恐れ入りますが、こちらの商品に関しては割引対象外となっておりまして・・・。」

と、説明するのですが、それに逆上。

「そんな事、この割引券に書いていないじゃないか!だったらなんで渡したときに言わないんだ!こっちは使えると思ってこの店に来たのに!」

余りにも怒り心頭に粘るので、仕方なく、その場は、今回だけ対応します、と対応せざるを得なくなりました。そしてその後、ご丁寧に本社にもクレームの電話を入れてくれるのでした。確かに割引券にはそうは書いていないけど、メニューには目立つように記載されてるのに・・・。

このほかこんなのもあります。

<事例 2 一組につき一枚と書いてあるのに>

5,6名のご婦人の利用でした。それぞれキャンペーンのときにお配りした500円引きのクーポンを手に持っておりますが、「ご利用は一組につき一枚」とちゃーんと記載されてます。

ところが、いざ会計となると、人数分のクーポンをまとめて出してきました。当然こちらは、

「せっかくなんですが、こちらに書いてますように、一組一枚となっておりまして・・・。」

見る見るうちにご婦人達は不機嫌になり、会計に文句を言い始めました。そしてついに、

「じゃあ、この会計、別々にして!だったら一人一組一枚ずつでしょ!」

と切り返してきました。さすがです。こちら側が「○名様以上」と利用制限をつけてこなかった事を巧みについてきました。

「いえ、同じテーブルで食事されているので、それはちょっと・・・。」

苦しい言い訳でした。全く通用しません。

「私たち別々の家に住んでるのよ!だから別人でしょ?いわば合席みたいなもんでしょ?アナタの言い分ってずいぶん勝手じゃない?」

参りました、降参です。仕方なくその場は個別会計で対応しました。そんな客は一ヶ月に一組いるかいないかなので。もちろん次回から「一組2名様から利用可能」の文言が加えられたのは言うまでもありません。

こうして、割引券の注意書きはどんどん増えていきます。当然文字も小さくなります。それはそれできっと、

「そんな小さい文字いちいち読めないわよ!」って怒られるんだろうなぁ・・・。

せっかく作った割引券、使えないとなると、一気にお客様の不満は最高潮に達します。一番いいのは、

1、 作らない

2、 あまり影響のない還元額で制限をつけない

3、 ポイント2倍など、直接お金が絡まないものにしておく

なんてのが良いのかも知れませんね。

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