フレンドリー過ぎる接客とうざい接客

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さて、視察を兼ねて、その某チェーン居酒屋に上司と数人のスタッフと実際に飲みに行ってみた訳で。
上司は店に向かう道中、誰に何を吹き込まれたのか、この店の接客スタイルがどれだけ日経系の出版物に高評価だったか、うちの会社でも積極的に取り入れよう、とか、そりゃあもう期待値マックスでお店に向かいました。
お店で出迎えてくれたのは、前情報どおり、ミニスカート風の丈が短い浴衣姿の可愛らしい女性スタッフ。まぁ、これだけで世の中のおっさん達は少しニヤけるのでしょうね。スポンサーリンク
さて、案内されるがままに席に着くと、料理のおすすめ説明が始まります。
よく勉強してるなーと少し感心。大体の料理の説明がしっかり出来てるのは、教育がしっかり行き届いてるんだな、と感じました。
と思って、うちのスタッフを見ると、既に興味を失ってつまらなそう。少しは見習ってほしいものです。
まぁ、10分位のその娘のおすすめトークが「やっと」終わり、乾杯にこぎつけました。
制服はうちの学生スタッフには、特に女性にはえらく不評で、よっぽど若く無けりゃあんな格好出来ない、そうです。私から見れば、お前も充分若いと思いましたが、そう言う問題じゃあ無いようですね。
上司の方はえらくご機嫌で、今にもその制服を採用せんばかりの勢いでした。
さて、料理が来たら来たらで、食べ方の説明が始まります。これも中々のもの。若干のマニュアル臭を漂わせながら、しっかりと説明出来てます。
と、ここまでは何処の店でもそれなりに出来てることで、ここからが違います。
事あるごとにテーブルに近づいて来ては、やれ、皆んなはどういう間柄なんですか?とか、楽しそうな職場ですねー、とか、どれ位飲みに行ったりするんですか?お勤め先は近いのか?と、まるでアンケートの様に話しかけてきます。
その都度、飲み物のお代わりとかも聞きにくるのですが、正直、いちいち話の腰を折られるので、一言で言うと、「うざい」。
頼んだ地鶏料理の残りの油で炒めご飯も作ってくれますが、わざわざハート型にかたどって持ってきます。そしたまた話しかけてきて、かえってこっちが気疲れしました。
最初は上機嫌だった上司もだんだん嫌気がさしてきたらしく、私と意見が一致しました。
「こりゃただのライトなキャバクラだな」
もう見るものはないと、帰ろうとすると、「いつまでも皆さん仲良く」とメッセージを更に書いたデザートと、来店のたびにランクが上がるらしい名刺を渡され、ようやく店を出た。

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何がいけなかったかと言えば、この店が悪かったのでは無く、行った自分らがよろしくなかった。
あくまでこの店は、従業員との会話を楽しむ為の店で、自分達だけで楽しもうとする客はお呼びで無い店でした。
結局、お店にはそれぞれのスタイルがあり、それを支持するお客様のタイプも色々なので、自店の客層は、どちらかというと、少しのコミュニケーションとどちらかというとほっといてくれるのを求めている客層なので、この店は参考にならない、との結論に達しました。
ホッとしました。
実際その店の会社は一時期テレビでも紹介され、店舗を拡大していきましたが、その後、急に失速。一頃の勢いも無く、今ではいつもやたらと高い時給でスタッフを募集しております。
お店の接客スタイルには絶対の理想形は無い様です。
そのお店にはそのお店のあるべきスタイルがあると思いますので、コンサルタントさんの話を鵜呑みにせずに、「長ければ良い」「フレンドリーである程良い」と言う幻想からは一歩引く事にしました。

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