店が広い飲食店の便利アイテム、“インカム”って本当に便利?

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こんにちは。当ブログにご来店頂き誠にありがとうございます。

さて、今日は、お店がちょっと広めの飲食店ではあるあるアイテム、小型トランシーバーの“インカム”についての話です。

一台5千円から1万円とそう安くは無いこの小型トランシーバー“インカム”、最近飲食店でよく利用している姿を見かけるようになりました。これのおかげで、遠くの従業員にわざわざ大声で叫ばなくても、どこぞのテーブルで呼ばれているか、注文の料理が上がっているか、どこぞの予約のお客様がお見えになった、〇〇をやりなさいという指示、それがインカムを着けている従業員の間でリアルタイムに共有できるので、確かに便利なアイテムと言えます。

ただ、手軽に便利なアイテムと言うものは、自動車の渋滞の様に過剰になり過ぎると混乱を招いたり、SNSの様にコミュニケーション力を低下させたりもします。

まず、イヤホンから入ってくる情報、必要な人にとっては重要な情報でも、接客中や調理中のスタッフにとっては煩わしい限りです。どうしても少なからず集中力が削がれるので、ありえないミスにつながります。

また、慣れ始めると、それまでアイコンタクトやジェスチャーでコミュニケーションを取っていたのがしなくなり、「普通に話しても聞き取れる距離」でインカムを多用する様になります。

さらに、テーブルの呼び鈴で呼ばれてからサービスをするのが当たり前になり、本来は呼ばれる前に、言われる前に、客のして欲しいことをするのがサービスの基本なのですが、それが出来なくなります。指示待ちのスタッフが増えてしまいます。

これは結構深刻で、インカム導入前はご来店のピークが始まりそうな時間帯はスタッフが緊張感を持って入り口に意識を払っていたのが、インカムで知らされるまで緩んでしまい、全てが呼ばれてから、言われてからなので、インカムの使用頻度もあがり、結果、より耳障りな情報が飛び交い、かつ追加オーダーのおすすめも出来ないので客単価は下がり、お客様の「何をして欲しい」サインも習得出来ずに終わってしまいます。

それだけじゃ無くて、普段の生活でも、インカムの悪影響で難聴気味になったり、便利になるはずのアイテムが、かえって不便なアイテムになってしまいます。

とは言え、冒頭にも述べた様に、お店を便利にするためのアイテムで、使い方さえ間違えなければ、全従業員に情報を即座に伝えるための有効なアイテムであるのは間違いありません。

ですので、使い方を考えましょう。例えば、テーブル番号の呼び出し、品切れ情報などの伝達以外は使わない、と言った限定的な使い方や、テーブルが満席になる様な日以外はむしろ使わない、とルール決めするのがいいと思います。

実は私もかつて、このインカム病に店が侵されて、やはりうまく店が機能しなくなったので、経年劣化の故障の際に、思い切って入り口とデシャップのスタッフだけの使用にしてみました。

するとどうでしょう、最初は不満だったスタッフも、入り口の扉が開く音や、デシャップの料理が上がった合図に注意する様になり、いい意味での緊張感が生まれ、私語も少なくなりました。そして、なるべく呼び鈴で呼ばれない様に中間サービス時にしっかり飲み物の注文を取る様になったのと、何より耳障りじゃ無いのでストレスフリーになりました。

とは言え、さすがに全従業員に何かを伝える時にやっぱりあった方が便利なので元には戻しましたが、その数ヶ月の空白期間のおかげか、以前より格段に無駄なインカムを使わなくなったので、もし、このインカム病にかかっている自覚があるのなら、一度思い切ってインカムを壊してしまうのがオススメですね。何も本当に壊さなくてもいいですけど。

便利なアイテムも使い方次第、というお話でした。

それではまた。今日はこの辺で。

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