パワハラの渦の中で。消えたおせち、クリスマスケーキのノルマ。

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年末商戦も押し迫ってくると、和食系の飲食店では「おせち料理」の販売ノルマが各店長に課せられます。洋食系ではクリスマスケーキ。コンビニエンスストアだったらその両方。店長は当然自身で購入するのは勿論の事、両親、親戚、知人、友人を巻き込んで、ノルマ達成を命じられます。

 

当然、自分の近しい顧客にもお願いしまくるのですが、あんまりしつこいとその顧客からもこの時期距離を置かれるので、なかなか難しい所です。

さらに仕入れ業者、ビールメーカー、求人や広告を担当している業者は当然の如く、この時期どこの飲食店に行っても、その付き合いを強要されます。

 

まぁ、この辺でノルマがそこそこ済めばいいのですが、会社はまだお願いできる所があると考えます。そう、店で働く従業員たちです。

 

店によっては、その従業員一人一人にノルマを課し、売れなかったら自分で購入するように強要する所も少なくありませんでした。主婦や孫が居る家庭のパートさん、家族持ちの社員であれば、まぁ、自身で別のお店で買いたいクリスマスケーキやおせちもあるでしょうが、ここは付き合いと割り切って、協力はしてくれます。割引制度もあったりするし。

 

問題は、一人暮らしの学生。故郷の両親に頼み込むと言っても、正直な所、なんでそこまでしなきゃならないの?と言うのが本音でしょう。しかも見たことも食べたことも無い自社のおせちやクリスマスケーキ、いくら割引が効いたとしても、そんなに安いものではありません。おせち料理なら少なくとも1万円前後は確実にします。

 

そんな気持ちを慮って、従業員にはノルマを課さずに済まそうと思っても、会社側は、従業員全員にノルマを課して、目標販売額を超えた店長を賞賛し、褒賞します。逆に目標販売額を下回った店長に関しては、評価を下げ、チーム作りが出来てないだの、人間力が足りないだの、熱意が足りないだの、それは言いたい放題の時代がありました。まぁ、サラリーマンですから、数字の結果が全てなのでしょうが無いのですが。

 

それが、ここ数年、従業員に過度に販売ノルマを課したり、売れ残りを買い取らせたりする店長たちがパワハラで訴えられたり、SNSで拡散されてネットニュースになったりと、状況が変わってきました。

 

背景には、飲食業界の人手不足の影響が大きいようです。実際、そんなノルマを課したが最後、下手すれば年末の繁忙期にアルバイトの一斉離職を招いて店が運営できなくなる可能性だってあります。従業員側からすれば、パワハラで訴える前にその気になれば店をどうにかする事などいとも簡単に出来る世の中です。

 

なので、会社も無理なノルマの賦課を店側に課すこともここ数年無くなり、結果販売額も年々縮小傾向にあります。

 

私としても、この流れのお陰で、随分年末営業はノルマが厳しくなくなったので、精神的に楽になりました。正直な所、働いてもらっている従業員に本音では必要の無いおせちだケーキだのを無理に買ってもらったり、知人や両親にお願いしてもらうのは気が引けるので。

 

ただ、楽にはなったのですが、当然その分の売上は減少します。しかも確実に。それをどこかで取り返さなくてはならないのは、サラリーマン店長でなくても個人営業でも変わらないでしょう。

 

ここが難しく、各店知恵を絞っているようです。なにせ結構利益率の高いおせちやケーキに変わるものとなると、そうそうあるものでもないし、代わりに来客を増やすと言っても、そんな簡単に来客が増えるほど世の中甘くは無い訳で。

 

なので、年末年始に家庭で食べてもらう、刺身の盛り合わせとか、金目鯛の煮付け、寿司のオードブル、鍋の具材セットとかを、原価に2割くらいの手間賃をつけて、格安で販売したりします。これはなかなか好評で、なにしろ本当の職人が一から作った料理がスーパーと同じ位の金額で買えるので、年末はこの用意で結構店がバタバタするくらいです。

 

どこかの工場で一斉調理のおせちやクリスマスケーキと比べれば手間隙がかかる割にはそれほど儲かりませんが、やらないよりはまし、というか、従業員から感謝される、というのはお店をやっていく上で、その後もいい関係を築けるいい機会だと割り切れます。意外にもご家庭持ちのパートさんの他にも、年越しパーティをするという事で、学生さんからの注文もあったり、いいじゃないですか。皆で年末の繁忙期を乗り切ったんだから少しくらいおまけしちゃっても。

 

とまぁ、どこもそんな感じなのでしょうか、最近おせちやクリスマスケーキのノルマで苦しんでいる、といった話は少なくなったような感じがします。相変わらずあるところにはあるのでしょうが。時代の流れなんですかね。でも、私個人的には、だんだん少なくなってきている、正月におせちを食べる、という習慣は、日本の食文化として残っていて欲しいと願うばかりです。

 

 

それでは今日はこの辺で。本日もご来店、ありがとうございました!

 

他店の視察に行くなら、大手チェーンのお店に行くのがいいと思う。

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飲食店の店長たるもの、競合店の視察は欠かせないと思います。

 

自店と同じくらいの客層、客単価、同業態・・・。

 

たとえ会社がお金を出してくれなくても(実際うちの会社は一円も出してくれません)、自分の興味、趣味として、他店の食べ歩きは欠かさないようにしたいものです。

 

で、私も自分の店に似たような業態のお店、和食店を色々リサーチしました。カミさんとのデートだったり、従業員とのコミュニケーションだったりで。

 

そうしてる中、たどり着いたのは、大手チェーン店の商品、サービスが一番為になるというか、はっきり行って脅威と感じることが殆どです。

 

うちで働いている職人気質の調理人はその辺を、「たかが素人のへっぽこ料理」と最初から否定することから始まるのですが、実際に一緒に行ってみると、最初は揚げ足取りの文句のオンパレードですが、そのうち無言になります。

 

それだけ大手チェーンの料理はしっかりと料理を研究し尽くして、いいものを安定して、しかも低価格で出し続けています。それもそのはず、こっちは数人の職人たちが試行錯誤して、一つの料理を作り出していますが、あちらは膨大なデータと、他店、しかも一流店の研究、本社での大勢による商品開発、そして圧倒的な購買力によるコストダウンを実践しているので勝てるはずがありません。

 

天ぷらとかだったら、半端な和食の調理人では丸亀製麺の天ぷらには太刀打ち出来ません。あの価格でこのクオリティは小規模のお店では絶対不可能です。

 

牛丼だって、吉野家の価格であれと同じクオリティのものをランチで出し続けることはまず無理でしょう。

 

ラーメンの幸楽園、ガストのハンバーグ、サイゼリアのスパゲティとドリア、どれをとっても和食ではありませんが、どれだけ頑張っても、あの価格であの料理を出すことがどれだけ難しいか。

 

焼き鳥にしても、串鳥の焼き鳥、たった一本100円そこそこの値段で同じものを出せるかと言えば到底不可能です。

 

コンビニの弁当だって、親子丼一つとっても、400円程度でふわふわの親子丼が食べられます。

 

勿論、商品価値は料理だけでなく、店の雰囲気やサービス、その他もろもろの要素が組み合わさってその価値が決められるので、一概に商品と価格の優劣で全てが決まるわけではないのですが、大事なのは、「如何に他所が低価格でいいものを出す努力をしているのか」と言う現実を改めて知ることにあると思います。

 

出来合いだろうと、セントラルでの一括調理だろうと、お客様には関係なく、少しでもリーズナブルに美味しい物が常にニーズなわけで、たまにしか揚げない天ぷらよりも、毎日千個以上上げているチェーン店のおばちゃんのほうがよっぽど天ぷら職人な訳で。

 

その現実を知る為、知らせる為にも、視察に行くなら大手チェーン店の料理がとても刺激になります。逆に、それでも何も感じない職人さんは、残念ながら最早淘汰されるべき古いタイプの人材と言えるでしょう。

 

最近一番脅威に思っているのは、スーパーの冷凍食品です。そりゃ宅飲みが流行るよな、と言うくらい、低価格で、しかも美味しい。飲食店と違うのは器ぐらいです。

 

ただ、それを見て、どうせ勝てないと匙を投げるより、飲食店には飲食店でしか味わえない、非チェーン店でしか感じられない感動があると思います。

 

それは、従業員との会話であったり、出来立てのシズル感であったり、サービスだったり、お店の居心地だったりもする訳で、逆に言えば、それだけ飲食店側が今窮地に立たされている、という危機感を常に感じる為にも、やっぱり大手のチェーン店に視察に行きましょう。

 

なんてったって安いしね。

 

それでは今日はこの辺で。ご来店ありがとうございました。

 

 

複数のグルメサイト予約を一元管理。これでらくらくネット予約。しかし減らない電話予約。

グルメサイトの予約を一元管理。このシステムさえあれば、それまで複数のグルメサイトによる即予約のお席の在庫管理を個別にいちいち行っていたのが、全てこのシステムで管理できるので、もう予約のブッキングも怖くない。それが予約管理システムかつ、電子予約台帳。うちの店でもebisol社のebicaと言うシステムを取り入れ、大変お世話になっております。

それまでは、紙の予約台帳に、予約のたびに鉛筆で記入。常連、来店頻度はもはや記憶との勝負。店長、および予約受付担当者の力量次第でした。アナログですが、10年以上当店で働いている、超ベテランかつご年配の従業員にしてみれば、これこそがマストアイテムと言っても過言では無い位、いや、この紙台帳に代わるものなど生きているうちに遭遇するとは夢にも思っていなかったでしょう。

そこへ、それまで触った事すらない、Ipad,タッチパネル入力。学生や若い主婦などの世代はすんなり受け入れてくれましたが、50代以上のベテラン組は猛反発でした。

「なんでもかんでもITって、ついていけない私達を切り捨てるの?」

「こんな機械に操られて!人間味が無い店になるよ!」

とか、何の根拠もない、まずは覚える努力をしてから文句言え、位の非難を浴びながら、無理矢理導入しました。確かに自分も頭が古い方の人間なので、電子台帳ではいちいちタブレットなりパソコンを開かなくてはなりません。それに比べて紙台帳は全てのスタッフがすぐに使えるし、しかも雑に使っても壊れない!だからどちらかというと最初は導入には乗り気ではありませんでした。

ですが、昨今のネット予約の増加、それだけではなく切実な問題、「人手不足」。

年々人員確保は厳しさを増すばかりで、どうしても以前と比べて少人数での営業を余儀なくされる事が多くなっているのはうちの店も例外ではありません。おそらくこれからもこの苦しい状況は続くでしょうし、周りの店を見ると、日本語のたどたどしい外国人、電話応対が不慣れな高校生と思しきアルバイト、それらがメインになっている店も見受けられます。それはきっと、それほど遠くないうちの店の将来でしょう。

今はいいけど、いつかきっと、営業中に予約の電話を受けようにも、トレーニング不足、又は日本語コミュニケーションのあやふやな電話応対、いや、それ以前に手が回らなくて電話に出れない時代が来るかもしれない。そう思ってのこの電子台帳、予約システムの導入でした。

いざ使い始めてみると、最初こそパソコンやタブレットでの入力に戸惑ったものの、人間は慣れる生き物なんですね。手書きで紙台帳に入力するよりよっぽど早くなりました。しかもうちの店には達筆というか、悪筆派が多いので、後から台帳を確認しても、内容の判別に時間がかかることがありましたが、もうストレスフリー。しかもネットさえ繋がっていればどこのパソコン、タブレットでも入力と閲覧が出来るので、これを機に調理場に2台、ホールに3台と中古のタブレットを増設しました。中古なので一台1万円くらいですが、おかげで予約表を印刷する手間も省けましたし、リアルタイムに予約内容を共有できるって、それまでの伝達にかかる労力ってなんだったんだろう、感動さえ覚えます。

そしてここがメインなのですが、ネット予約システム。現在主流になりつつある即予約と言うものを使用するのですが、グルメサイトを経由して予約が入って、自動的に電子台帳に転記されます。ネット予約用の席が満席になれば自動的に全てのグルメサイトのネット予約が停止になり、ありがたいことに予約確定のメールも前日のリマインドもやってくれるので、お店としては一切電話が鳴らず、オペレーションに集中できます。

と、ここまでお話しすると、夢のようなシステムで、いかにも新時代の店舗オペレーションを営んでいるように見えますが、現実は甘くはありませんでした。

確かに導入、入力、管理まではスムーズでした、問題は「ネット予約」にありました。従来の電話予約が期待したほど減らないのです。

最初は、ネット予約の締め切りを前日の22:00に設定しているから、当日予約は電話予約でしか受付できないからか?と思っていましたが、一週間前だろうが3日前だろうが容赦なく電話予約で予約が入ってきます。ネット予約はせいぜい全体の1,2割程度といったところでした。

予約電話の際の聞き込みや、予約内容を分析してみると、原因は当然ともいえるくらいシンプルでした。

1、 リピーターだから携帯電話の電話帳に既に電話番号が登録してある。

ありがたい話です。常連さんにしてみれば、ネット予約するほうが面倒な訳です。会員登録やら予約日の入力やら。だって電話かけて日にちと人数と名前を言えばすぐに済む話ですからね。それに、お店の人と話もしたい訳ですし。

2、 ネット予約の個人情報登録が嫌。

ごもっとも。しかも一度会員登録すると、来るわ来るわのお勧め情報メール。だから電話で済ませたいというのは当然と言えば当然です。しかも、意外とこの個人情報入力、面倒臭いんですよね。

3、 予約内容が重い。

一生に一度の結納の席、顔合せ、親族が一同に会する食事会、同窓会、記念式、接待、上司の送別会、こんな大事な席をネット予約で、出来ないことはないでしょう。ただ、どうやら現代人はそこまでネット予約を信頼できないようです。万が一予約の人数を、予算を、時間を間違ったら・・・・。と考えてしまいますし、細かい要望も直接伝えないと、人間は安心できない生き物のようでして・・・・。ただ、受ける側からすれば、従業員が承るほうが、よっぽどミスも多ければ、聞き間違いもあるんですがね・・・・。

4、 そもそも予約をする人間がネット嫌い。

特に顧客年齢層が高いお店はこの傾向になるようです。ネットやコンピューターにアレルギーをお持ちです。そんな世代にネット予約を!って言ってもそれは無理ってものですね。

うちの店はこれらにほぼ当てはまり、だからネット予約の比率が低いそうです。業者さんの話では、逆に言えば今ならスローペースでじっくり導入できるし、いずれ数年すれば、結局ネット予約が主流になるので、それまでながーいトレーニング期間だと思えば、それはそれでいいのかもしれませんね。

今日も電話が鳴りまくりです。その度に人手を取られてかないませんが、まぁ、それだけお客さんが来てくれるんだからと諦めるしかないようです。お向かいさんの若い客ばかりの洋風居酒屋さんは殆どがネット予約で楽になったらしいですが、うらやましい限りです。要は、業態によりけり、ということですね・・・。

それでは今日はこの辺で。本日のご来店、誠にありがとうございました。

飲食店の現実。人材流出時代の影。人手不足が引き金の店舗崩壊。

こんにちは。当ブログにお越しいただき誠にありがとうございます。

さて、前回とうとう、担当部長から、姉妹店への人員ヘルプを任されてしまった、というより丸投げされてしまいました。せっかく出来上がった自店のシフトを組み直し、1週間のうち、自店の副店長が休みの日は自店での営業、それ以外はほぼ姉妹店のヘルプです。シフトとしてはこんな感じです。

月曜日 副店長が休みなので自店

火曜日 ヘルプ

水曜日 ヘルプ

木曜日 副店長が休みなので自店

金曜日 自店が忙しいので自店

土曜日 自店が忙しいので自店

日曜日 ヘルプ

と、いったところでしょうか。

あれ?休みは?と思ったでしょうか。そりゃあ私だって休みたいです。でも、姉妹店の店長が休めてません。上司の部長も本部とヘルプ店舗を行ったり来たりで休んでません。とてもじゃ無いですが休みたいとは言いにくい状況です。

アルバイトスタッフを姉妹店にヘルプに行かせる方法も考えました。ですがその話を持ちかけるとアルバイトさんの返事はNO。知らない人しかいない所にバイトに行かされるくらいなら休みでいい。当然と言えば当然の反応です。第一、採用時にそんな事説明した覚えも無いですし。

それでもまぁ、1週間もすれば、どこか他の店からヘルプ要員が来るなり、社員が移動になるなり、何とかしてくれると甘く考えていたのですが…。

翌日、また姉妹店にヘルプに入ったのですが、その日は私を含めて昼も夜も4人ずつ人員は配置され、正直もう1人はホールスタッフが欲しいところでしたが、3人よりは遥かにマシ、といったところで、オペレーションも正直ギリギリでサービスが後手に回る場面も多々ありましたが、やはり1人いるといないとでは全然仕事の進みが違います。やっとまともな休憩が取れました。

それにしても人員不足は慢性的で、ここの副店長が辞めた理由もそこにあるのでは、とも思いました。とにかく人手が足りない中営業しているので、サービス業、というより、目の前のお客様を「こなしている」機械的作業がほとんど。しかも所々お客様から苦言をいただくので、これではやりがいも何もあったもんじゃありません。

しかも、本来はお店は少しでも多くのお客様にご来店頂いて、少しでも多くの売り上げを上げる事が企業としての命題なわけで、それで我々は給料を頂いているのですが、人員不足にて予約の電話(と思われる)電話にも出れず、入り口で入場制限をし、予約すら制限し、これでは売り上げが上がるはずがありません。このままでは、それまで前年比をそこそこクリアしていたこの店が、不振店に落ちていくのは火を見るより明らかでした。

それから数日、この店のアルバイトさんに、もう少し出勤できないものか聞いてはみましたが、お昼のパートさんは、

「もういい歳だからね。それに最近忙しくてさ、人が足りないから、キツイのよ。」

夜の学生さんは、

「研究室が忙しいし、毎日学校で正直週一のバイトもキツイんすよ。」

「就活でアルバイトどころじゃ無いんです。出来れば数ヶ月丸々休みたいんです。」

「稼ぎたいと思ったらもう少しいい時給の所に行きますよ。ここ続けてる1番の理由は店長が割とシフトに融通利かせてくれますからねー。」

と、なるほど。早い話が今まで店長やら副店長が何とか頑張って支えてきたからシフトが成立していたわけで、社員が1人いなくなった事で、残ったのは稼ぐ事に今一つネガティヴなスタッフばかり。そりゃシフトが崩壊するのも納得です。

と、それがわかったところで他にどうしようもなく、とは言え私もいつまでもヘルプに通うわけにも行かなかったので、営業終了後、店長と今後どうするか話し合いました。

「店長、この状況じゃいずれ店が崩壊しますよ。社員の補充は目処が立ってるんですか?」

「それがね、いずれ何とかする、とは部長は言ってるんだけど、その部長も他の店のヘルプに行ってる有様だろ?他の店も人員はカツカツで、店長が休みが取れない店はうちだけじゃ無いらしいんだ。だから求人はかけてるんだけど…。反応は厳しいね。」

全てを諦めたように話す店長には、何か秘めたる決心があるようでそれ以上聞くのが怖かった。さらに続けるように、

「調理場のスタッフも最近は何とかホールを手伝おうと、料理を運んだり、テーブルを片付けようとしてくれてる。みんないい奴ばかりさ。学生スタッフやパートさんだって本当は休みたいのに、忙しい中出勤してくれてる。そんな中、俺が休んでる場合じゃ無いだろ?」

こんな状況でも、自分の部下の愚痴をこぼさず、むしろ感謝している。私に同じ事が言えるだろうか?少し自分が恥ずかしくなった。

「私にできる事があれば協力します。何とかこの状況を打破しましょう。」

店長は苦笑いを浮かべながら頷き、こう語りました。

「有難いけど、自分の休みはちゃんと取れよ。休めるうちは休んどけよ。だってそうだろ?もしそっちが同じ状態になったら、今度は俺がヘルプに行くかもしれないんだ。その時に俺も休みづらくなるからさ。」

そして更に、

「何も店長自らヘルプに来なくても、副店長がいるならそっちを寄越してくれ。アルバイトさんが店長、って呼ぶ度2人返事するから困っちゃうってさ。」

最後は冗談交じりにこちらを気遣ってくれました。いい人だ。こんないい人が店長をやっていても、突然降りかかる人材流出と人員不足。飲食業のみならず、売り手市場の現在に於いてはあちこちで現場崩壊の危機にさらされています。

その後、その姉妹店のヘルプについては副店長に代わりに行ってもらう事にしました。意外にも副店長的には他の店を自分の目で見て見たい希望があったようで、活き活きとヘルプに行ってくれてます。それになりより、自店をしばらく開けていると、やたらと仕事が滞っているようで、これがベストな選択だったようです。

そして社員の補充ですが、結局人が集まらなく、当面は本部スタッフが交替でヘルプに行き、店長の休みについては、何とか週一で部長が回してくれる事となりました。部長は一体いつ休めるのでしょうか?1日も早い人員補充を願わんばかりです。

サラリーマン店長で今飲食店の多くはこんな感じです。自営業の方から比べれば、

「あめーよ。」

と言ったところでしょうが。

それでは今日はこの辺で。

ご来店ありがとうございました。

飲食店の現実。人材流出時代の影。地獄の重労働店舗運営。それを人はブラックと呼ぶ。

こんにちは。当ブログへご来店頂き誠にありがとうございます。

ようやく他店のヘルプ地獄からちょっとだけ解放されました。というか、店長自ら他店のヘルプにずっと行ってると、自店がほったらかしになるので仕方なく戻っただけですが。やっぱりホームが1番ですね。でもまた来週、ヘルプに行かなくちゃ…。

さて、前回の続きです。人員が全く足りないまま、ヘルプ先の店長と私、外国人留学生の3人しかホールにいない状態での営業が始まりました。どう考えても店の規模からすれば4人、いや5人は欲しい所です。

ランチ営業スタート。有難いこと(?)に予約は入っていませんでした。が、後で知るのですが、この店ではシフト上人員が足りない時には予約の受付さえ止めてしまうとの事でした。何てことでしょう。予約の方が来る時間もメニューも決まっているのだから、準備ができる分楽なのに。っていうか、売り上げを上げるのが店の命題なのに…。

店は無情にもオープンしました。オープンしてすぐ一組来店がありましたが、静かな立ち上がり。11;00、それ程忙しくはありません。その時間帯は3組7名の来店で難なくクリアしました。この時点での布陣は、案内、レジ周りが店長、オーダー、接客が私、デシャップ料理提供が私と外国人留学生のイー君。

そして12:00。この辺には企業が一杯。当然、ランチタイムはサラリーマンの来店が予想されます。ここから地獄が始まりました。

自動ドアが開くたびに次々と来店。案内の店長は完全に追いついてないので私がフォローに向かいます。しかし、案内してもオーダーを取りに行く人がいません。

イー君にオーダーをお願いしますが、まだ不慣れなのか1組オーダー取るのに時間が掛かってしまいます。あちこちで呼鈴が鳴るので私もオーダーを取りに行きますが、そうなると入口はパンク状態。その人だかりを見て帰って行く後から来たお客様。

料理が調理場から出て来ましたが、それに小鉢やらご飯味噌汁をセットするデシャップのイー君はまだホールにいました。慌ててセットを始めますが、今度は料理を運ぶ人がいません。見かねた調理人が料理を運びますが、そうすると今度は料理をつくる人手が足りません。

完全に店が回っていない状態です。席が空いているのに案内出来ない、呼んでも注文を取りに来ない、料理が出来てもすぐ運べないから少し冷めてる、その料理もやたらと時間がかかる、電話は鳴っているけど誰もが電話に出れない。

最低限のサービスすらままならず、あまりにもの自分の不甲斐なさに、食事を終えたお客様もどこか不満そうに見えました。いや、実際不満だった事でしょう。

13:00には今度はお帰りラッシュですが、精神的にも肉体的にもクタクタです。それでも、各テーブルにそのまま放置された山の様な食器達を片付けなくてはなりません。しかも、夜の宴会の準備も。それを阻む様にちょくちょくラストオーダーまで続く小規模のご来店。

結局ランチタイム閉店まで片付けも夜の準備も進まず、ようやく取り掛かったのは午後15:00。全てが完了したのは16:00を過ぎてました。一応、アルバイトは6時間連続で働かせる事はできないので30分程前に上がってもらいましたが、やっとひと段落。急いで冷めた賄いをかっ込み、17:00の予約のお客様をお迎えするのですが、シフト表を見て目を疑いました。

夜の営業も同じ人数です。20人規模の団体予約が2件、他にもちらほら入っているのですが…。

地獄は更に続きました。夜に出勤してきたスタッフは最近入店したと言う高校生。戦力としては厳しそうです。

しかし時間は待ってくれず、20人の宴席は始まりました。店長自ら新人と宴会担当で、残る私がドリンカー、飲み物のオーダーを作ります。ところが、ドリンクを作っても2人とも料理を出すので精一杯なので、誰も飲み物を運べません。なので私が運びますが…。

昼の営業と同じ展開です。あちこちでオペレーションに不具合が出て、しかもフリーで来店したお客様には全く何も出来ていません。既に呼んでも来ないだの、サービスが悪いだのほぼクレームになってます。

結局、団体の宴会中はフリーの来店については対応しようがない為、入店を断るしかなく、またまた自ら売上を放棄する事態になりました。

そして、宴会が終わり、精も根も尽き果てた状態で、宴会場の片付けです。高校生アルバイトは22:00前には帰さなくてはならないので、そこから先は店長と2人で後片付け。もう2人とも無言です。途中から調理人が手伝ってくれたので、なんとかその日のうちに終わりましたが、これが毎日?と思うとゾッとします。

次の日のシフトを見てみましたが、私を除くと今日と同じ人数です。さすがにそれはヤバイと店長に増員を頼みましたが、力なく首を横に振りながら、

「毎日、LINEやら電話やらでお願いしてるんだけどね、実習やらゼミやらで週一で出てくれればまだいい方ですよ。」

助けてやりたいのもやまやまだが、こっちも自店がある。とりあえず地区の担当部長になんとかしてもらう様に電話をして下さい、とお願いしました。

すると、だからでしょうか、部長から電話が入りました。

「悪いんだけど、しばらく応援に行ってくれないか?こっちも今他の店のヘルプで動けないんだ。お前の店から近いし、すまないが、頼むよ。」

店に戻り、明日以降のシフトの調整をスタッフに夜遅くにお願いし、ここからヘルプ地獄が始まるのでした。

飲食店の現実。人材流出時代の影。店から人がいなくなる?

こんにちは。当ブログにお越しいただきまして誠にありがとうございます。

さて、前回の続きです。

副店長の退職により急な人手不足に陥った僚友店舗を救うべく、ヘルプ要員として週に何度かその店に行く事になったのですが、最初はちょっとしたお手伝いのつもりで気楽に考えてました。そこの店長とも気心知れた間柄だったので、少し甘く見てました。

しかし現実はというと、そこには今、多くの飲食店が抱える人員不足の問題点が凝縮されていました。

まず店に入ると、出迎えてくれたのは開店準備に追われる調理場の社員2名と店長。軽く挨拶を済ませ、自分もフロア掃除に取り掛かる頃、アルバイトさんが出勤してきました。

しかし、たったの2名。しかも外国人。日本語は一応話せる様ですが、かなりたどたどしい。店は大小個室を合わせると80席のそこそこの規模の店舗。一人は調理場に、そしてもう一人がホール…。つまり、私が来なかったら、この日は店長とこのアルバイトのみでホールを回す事になった訳で。

さすがにこれはと思い、店長に疑問をぶつけると、

「他にパートの日本人のおばちゃんもいるにはいるんだ。でも、人手が足りないからって毎日お願いする訳にも行かなくて。だってそれじゃすぐに103万円の壁越えちゃうだろ?それに、もう60をとっくに超えてるんだ。あまり無理はさせられないよ。」

だったら、早く他のパートさんを募集すれば良い、そう思って質問すると、少し溜息をついて、

「知ってるだろ。募集はとっくにかけてる。ほぼずっとさ。でも駅前でも無いこの立地とうちの時給じゃ誰も来やしない。来るのは卒業間近の短期希望の学生か、外国人留学生、おじいさんおばあさんばっかりだよ。」

確かにそれは言えている。私の店はどちらかと言うと大きな駅も近ければ大学も近い、時給に関してはなんとかうちの会社はこの辺の相場のちょっと下くらいのレベルだが悪くは無い。それでも募集広告を出してもあまり良い反応は無い。優秀な人材はどうやったらそれだけ時給を払えるんだ?という位高い時給を出す会社に取られ、来るのは確かに、外国人と高齢者が殆どだ。最近は高校生も来なくなった。殆どが従業員の紹介に頼っているのが現状であった。

話を更に聞くと、今いる学生アルバイトはその殆どが来春の卒業生で、紹介してくれるのも同学年、募集をかけて応募してくるのも来春の卒業生と、もはや来春には店から誰もいなくなるのでは無いかと冗談めかして話していたが、このまま何もしなければ、多分そうなるだろう。

この手の問題は飲食店であれば結構多くのお店が抱えている問題だと思います。もはや待遇改善、時給の引き上げができるか否かが、生き残れる飲食店を分ける分水嶺となり得る時代に既になっているのでしょうか。

そうこうしているうちに開店の時間となりました。おっさん二人と外国人アルバイトのみでホール、似た様な陣営の調理場。不安しか無い状態で店はオープンしました。

続きはまた次号で。

本日はご来店頂き誠にありがとうございます。

飲食店の現実。人材流出時代の影。

御無沙汰してます。当ブログへご来店頂き誠にありがとうございます。

しばらくほったらかしにしていたこのブログですが、それなりに理由があります。

毎日休みなく朝から晩まで働かなくてはならなくなったため、初老の私には家に帰ってからパソコンに向かう(とは言っても愛機は今時iPad3ですが)元気が無くって…。

なんでそんな事になったかというと、そこがサラーリーマン店長の悲しい性、チェーン店ならではの恐怖、人材流出による人員不足を埋め合わせる為に身を切らなくてはならなくなりました。 “飲食店の現実。人材流出時代の影。” の続きを読む

夏だ!飲食店大掃除のススメ。

こんにちは。当ブログにお越し頂き誠にありがとうございます。

今回は夏に是非オススメの大掃除のお話です。

夏に大掃除?なんでこの時期に?と言う声が聞こえてきそうですが、

「大掃除は夏が一番効果的で、安く済む。」

これは私の付き合いのあるダスキンの代理店を営む方の名言です。

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お金のかからない、ちょっと良いサービス。「持ち込みOK」

こんにちは。当ブログにお越し頂き、誠に有難うございます。今回も前回に引き続き、お金のかからない、それでいてお客様に喜ばれた、ちょっと良いサービスのお話しです。

それは、「持ち込みを歓迎する。」たったそれだけなんですが。

勿論、全ての持ち込みをOKする訳ではありません。そんな事したらお弁当を持ち込んで昼食を過ごされたり、飲み会の席で缶ビールをケース単位で持ち込まれたり、無償でテーブルを占拠されてしまいます。

なので、お店として、大々的に持ち込みOKの張り紙や告知をする必要はありません。

いつものように営業していく訳なのですが、営業しているうちに、必ず、「持ち込みしたいんだけど」とお客様から相談を受ける事があると思うので、次に挙げるものについては持ち込みを持ち込み料無しで認めてあげると、結構喜ばれます。しかもあまり店としては手間がかかりません。 “お金のかからない、ちょっと良いサービス。「持ち込みOK」” の続きを読む

サラリーマンの宿命、転勤。

こんにちは。当ブログにお越し頂き、誠に有難うございます。

最近、私の身の回りが慌ただしかったため、ブログの更新がしばらく途絶えてました。

さて、何があったかというと、「転勤」です。

とは言っても私自身では無く、同じこの店で2年間苦楽を共にした相棒の親方がこのたび転勤の命令を受け、遠くの地に旅立って行きました。

飲食業といえど、サラリーマンには宿命で、社命には基本的には逆らえません。 “サラリーマンの宿命、転勤。” の続きを読む