飲食店正月営業の功罪。それでも正月、働きますか?

こんにちは。当ブログにご来店いただき、誠にありがとう御座います。

 

さて、忘年会シーズン真っ只中ですね、毎日、もうとっくに週末の予約は一杯なのに、未だに、「予約できませんか?」の問い合わせの毎日。いやー。シーズンインですねー。

 

そんな中、もう、「大晦日、元旦は営業してますか?」のお問い合わせが山ほど来ます。有り難い事に、うちの店は大晦日と元旦の営業は過去の売上データから、「営業しても意味なし!」とのお墨付きを頂き、本年もお休みがいただける運びとなりました。

 

この話を同業の友人にすると、とても羨ましがられます。そう、誰だって大晦日と正月位は休みたいんですよね。

 

勿論こんな事をのたまうと、「JRやホテルは正月も働いてるんだ!」と、反論を受けるのは間違いないですが、そんなこと言われても、休みたいのは休みたいんです。だって、タダでさえ、ろくに休めてないのが飲食店の店長なのですから。

 

確かに、大晦日と元旦のこの二日間、世の中ではそう言う日なのでしょうが、所詮は365日の中のたった二日間で、他の日取りと変わらず24時間で日付が変わる日程なのですが、日本人にとっては、年末大晦日、年越し蕎麦を家族と、恋人と、すすりながら、くだらない年末番組を眺めながら新年を迎え、正月には親戚や友人と会いながら、これまたつまらないテレビを見ながらおせちをついばむ非生産的な一日なのですが、一年のこの二日ぐらいはそれが許されてもいい日。それ位はそれ程給与水準も他の業種と比べて高くないのですから、いいんじゃないでしょうか。

 

実際、この大晦日や正月を休みにする大手飲食業の企業も多くなってきました。

 

この二日間の売上は実は馬鹿に出来なく、特に正月の売上はその月の一番売上が見込める、と言う業態もあります。

 

ただ、そうは言っても、所詮ただでさえ12月と比べれば雲泥の差の1月の売上の中でそれなりに売上が見込めるといった程度です。

 

確かに、大晦日や元旦はお客様が入ります。それは、「多くの店がやっていないから。」これが一番の理由で、そもそもそれほど消費活動が活発な日程では本来無く、ここを営業しない事によって得られる求人効果や(実際、大晦日や正月が営業してない、という理由で応募する求人者は特に主婦層に多い。)、従業員のニーズに対応、といった意味では、目に見えて収益に直結しないかもしれませんが、働いている側としてはそれを望んでいるのは間違いありません。

 

つまり、この二日間で得られる売上や収益は、一年間トータルで考えるとそれほど重要じゃない、むしろ休みにすることによって従業員の満足度を上げられるのなら、休んでいた方が得策、とも言えるのでは無いでしょうか?

 

って、いうか、日本の皆さん、「お正月くらいはゆっくり休んでもいいんじゃないですか?」

 

それでは今日はこの辺で。

 

ご来店ありがとう御座いました!

飲食業の現場は今一番店長がつらい現実。

いらっしゃいませ!当ブログにご来店頂き誠に有難うございます。

 

テレビや新聞を賑わす飲食業の現状、人手不足が今年のテーマになっていますが、昨年の今頃はどうだったでしょうか。実は「パワハラ」「ブラックバイト」が一番のテーマだったのを覚えているでしょうか?

 

スマホのボイスレコーダーでこっそり録音されたバイト先の店長の暴言、クリスマスケーキなどの季節商品のノルマをバイトに課して、未達成の場合は買取させたり、または勤務時間外のサービス残業だったり、飲食業ばかりではありませんが、使用者側の企業、管理職のあり方が問われた一年だったように思います。

 

それでは今はどうでしょうか?そう言われてみれば最近その手のニュースは全く聞かれなくなったように思いませんか?まぁ、そうは言っても未だにあるところにはあるのでしょうが、影を潜めたように思います。

 

勿論、企業側は少しでも、特に飲食業は某居酒屋チェーンのおかげですっかりイメージが悪くなった状況を変えようと労働環境の見直しを進めてきたと思います。というか、どこも実は似たような労働環境、あのワミの事件は人事ではない企業が殆どだったのは、数社を転職して歩いた私にはよくわかります。どこも叩けばホコリが出る状況だったのは、大なり小なり飲食業でアルバイトでもかじったことがある人なら誰でも知っていることでした。

 

で、少子化の影響や、人口減、それに対して多すぎる飲食店、さらに敬遠されるこの職場、人手不足は一気に加速し、多少時給や賃金を上げたところで全然人は集まりません。そこで企業が進めた労働環境の改善は、時給引き上げの他に、

・賃金計算を一分単位にした。

・交通費を全額支給にした。

・週一日だけの、週末だけの出勤でもOK。

・店長は従業員と月に一度の面談を行うようにした。

アルバイトが楽しんで仕事が出来るよう、工夫をした。

・アルバイトに対して怒らず、褒めて伸ばすようにした。

・従業員の休み希望は必ず叶えるようにした・・・・・etc

 

まぁ、アルバイトにとっては天国のような待遇。「働いて頂いている」という考え方で接している、あるいは接するように指導されている店長さんは多いんじゃないでしょうか。まぁ、私ももともと叱るのは得意な方ではないので、今までとそれほど変わらなかったのですが、それでも時には人間です、怒りがMAXになる時はあります。

 

LINEで「今日は急に用事が入ったのでバイトに行けません」でちゃっかり休む奴、遅刻癖がある奴、言葉の使い方がなっていない奴、などなど。5年くらい前だったら「てめぇふざけんな!!」とか、「やる気が無いならさっさと帰れ!!」とか、まぁ、よっぽどの時ですが言うこともありましたが、今はご法度。まずは理由を聞いて、それから諭して、それはそれはストレスが溜まります。

 

しかもシフト希望は「出れない日」を出すのではなく、「出たい日」を出してくるだけ。おかげでこっちはシフト希望が出揃うまで自分の予定も立てられません。下手すればその期間休みが無い、なんて事も特にテスト期間やお盆のスタッフの帰省中などにありがちです。そして人が足りない日には「お願いだからこの日出て来て!」とお願いしまくり、頭を下げ下げ。最早威厳もあったもんじゃありませんね。

 

会社からは「今は人手不足なんだから絶対バイトを辞めさせるな」と離職率まで観察され、バイトからは機嫌を損ねようものなら「そろそろ辞めよっかな」と脅されている店長さんは実は飲食業にとても多いのが現状です。

 

結果、一番きつい仕事は進んで請け負い、いつも笑顔で優しくて、悩み事には相談に乗り、自分の生活のことは一番後回しの「神様のような」いい人を演じている店長が今、多いと思います。自分を振り返ってみても、ずいぶん変わったなぁ、と思う今日この頃です。

 

他の先進国でも同じような状況の国は多く、なんでも中間管理職の自殺者が多いそうで。なんだかわかるような気がするなぁ・・・・。

 

先日、同じ店長の役職の友人が会社を辞めました。なんでも人間関係に疲れたからもう、一人でやれる飲食店を自分でやるそうで。まずは奥さんと2人でしばらくやるつもりだとか。

 

その気持ちもわかります。サラリーマン店長にとって、本当に今のこの人手不足の時代が一番厳しい時期で、続けられるか否かは東京オリンピックが始まる2020年までが正念場だと思います。それまでさらに人手不足が進むのですから。

 

きついきついばかり言っても始まらないので、いかに「人」を使わなくても済む店に出来るか、アルバイトがどんどん来るお店に出来るか、それを経験させてもらえるチャンスとむりやりポジティブに捉えて、この苦境を楽しみたいと思います。

 

それでは今日はこの辺で。ご来店、ありがとうございました!

 

 

 

 

久兵衛の訴えは判るような気がする。飲食店は場所が大事。

こんにちは。当店にご来店いただき誠にありがとうございます。

 

先日、ネットニュースを騒がした、老舗の寿司店、久兵衛の移転問題、結構大きく取り上げられて、ネット上のニュースに対するコメントは、どちらかと言うと久兵衛側に否定的なコメントが多かったですね。

 

事の発端は20199月の開業を目指して改装中のホテルオークラですが、それまでメインエリア、というか一等地で長年営業していた久兵衛ですが、改装に伴い、メインエリアではなく、別棟の場所をホテルオークラ側から指定され、それまで久兵衛が営業していたメインエリアに久兵衛から独立した者が立ち上げたお店が営業すると言う。

 

久兵衛側は、「50年も一緒にやってきたのに、これは片隅に追いやり排除しようとしてる!」とホテルオークラ側に権利侵害と信用を傷つけられたと、損害賠償請求の訴えを起こしたわけなのですが・・・・。

 

とにかく、ネットでは、

「有名店だからって調子に乗ってんじゃないの?」

「いくら老舗だからって本当に腕があるならどこでも出来るでしょう?わがまま。」

「ホテル側がどういう店を入れるのかはホテルが決める事。いやなら出て行けばいい。」

 

と、これが世間の共通見解としたら、今回の件は、久兵衛側が一方的にわがままな要求をしている!と言うイメージのニュースになっているようですね。

 

 

確かに、ニュースになってまで訴えるのは、かえって今回の様にマイナスイメージになってしまうので、結果としては良くなかったと言えますが、飲食店、だけではないですが、立地はお店を運営する上でとても重要な、下手すればその場所を見誤ると、その後、悲惨な結果が待ち受けていますので、話はそう簡単ではないと思います。

 

 

立地とお店のコンセプトのミスマッチ、これで撤退していくお店は私たちの周りにも実は多くて、特に個人店や、小規模の多店舗展開しているチェーン店にその傾向があるようです。例としてあげると、

 

・全くの住宅街の裏側に隠れ家的な居酒屋

当然近所の人しか来ません。いくらそれが強力なリピーターだったとしても、知り合い、近所づきあいだけでは売上は高が知れています。よっぽど全国的に腕が知られている料理人がいるのなら別ですが。

 

・官公庁街のど真ん中に接待向けの和食屋

一見よさそうな立地ですが、実際は今や官官接待や談合には人の目が厳しい世の中です。むしろ接待場所にはビジネス街を離れる傾向があるのは当然。かえって目立ちすぎるので使いにくい。

 

・歓楽街におしゃれカフェ、イタリアンなど。

意表をついて目立ちそうですが、本来の目的とかけ離れた場所。昼は人気の無いうらぶれた街で誰も歩いてません。夜は騒がしくてせっかくの店の雰囲気が台無し。

 

・観光地なのに食べ放題

観光地で求められるのはその土地でしか食べられない体験的食事。コスパやリーズナブルはむしろ求められていない。岩手のわんこそばは別。あれはそういうものだから。

 

・銀座、麻布の一等地で1100円台の寿司店。

これもその地域で求められているニーズは、安い、美味い、ではなくて、ステイタス的な食事。もっとも、低価格帯のお店でこの辺の地代や家賃を賄うとしたら、相当な回転数じゃないと無理な話なのですが。

 

 

個人店でない、所謂大手チェーン店はこの立地の重要性を良くわかっていて、その為新店オープンの際には入念な立地調査が行われ、商圏人口、交通量、地域のニーズ、周辺店舗の様子などを調べた上で初めてゴーサインが出ます。

 

「いや、腕があれば、接客力があれば充分裏通りの立地でも繁盛店は作れる。」

 

という飲食業の社長さんのインタビューもたまに見かけますが、残念な事に、そう言ったお店の殆どが、取材時には繁盛しているけど、オープンしてせいぜい2,3年といった所でしょうか。10年もすれば周りの環境も変わり、自慢の腕や接客力は店長、調理長が変わっていきます。果たして10年後もあるでしょうか?

唯一つ変わらないもの、それは店の住所と看板。だから立地は重要なのです。

 

今回の久兵衛がこだわった立地、それは50年も同じ場所で続けた久兵衛が、その立地の重要性を知っていたからじゃないでしょうか。いくら知名度があっても、地方都市の商店街の片隅で、おまかせで数万円する寿司が売れるかと言えば、それは無理ってものです。あの場所だからこそつけられる価格、ゆえに提供できる料理、そこにこだわれば、移転を反対したくなる気持ちもなんとなくわかるような気がします。

 

 

それでは今日はこの辺で。ご来店ありがとうございました。

 

人手不足が生み出したメリット。~店舗運営編~

こんばんは。本日も当ブログにお越しいただき、誠にありがとうございます。

 

それにしても飲食業、人手不足ですね。2020年の東京オリンピックの際にはただでさえ外国からわんさとお客さんが来るのに、オリンピックの関連事業やボランティアに少子化と人口減で少なくなっている労働人口がさらに持っていかれるので、何もしなければ超過勤務の地獄まで待ったなしですね。

 

ですが、そんな飲食業の人手不足を克服しようと、様々な仕組みや知恵が生まれたのも事実です。それも人手不足が生み出すメリットと言えないでしょうか?

 

 

メリットその1  予約の受付が変わった。

 

例えば、ネット予約。それまで人間が一生懸命紙の台帳を開いて、電話で予約を受け付けるのが通常でした。ところが、電話がかかってっくるのはサラリーマンが休憩に入るお昼休み。ランチ営業をしている飲食店にとっては一番忙しい時間帯ですね。そして仕事が終わる17時から19時。これもディナータイムのピーク時です。正直一番迷惑な時間帯で、そんな時間帯に料理内容の細かい相談などされたら、それだけで大事な労働力が10分単位で失われます。

 

しかも口頭と手書きによる予約受付。当然言った言わないの予約漏れや、人数、時間の間違いなんて日常でした。それがネット予約を導入することで、ピークタイムの電話回数も減り、ネット予約は予約の履歴も残りますから、ある意味精度は上がりました。ただ、まだまだ電話予約が主流のようで、完全に定着するのにはもう少し時間がかかりそうです。

 

メリットその2  会計の仕方が変わった。

 

某レストランチェーンでは現金会計不可のお店が出来ました。何でもこれにより、レジ締め、売上金入金などの作業を減らし、人手不足に対応するのだとか。

 

とは言っても、これまで現金主義の我が日本ではクレジットカードや電子マネーの決済手段は全体の20%位しか進みませんでした。韓国や欧米などではとっくに7,8割は現金以外の決済なのに。

 

ですが、外国人客の増加や、それまで店舗側から敬遠されていた35%のクレジット決済の手数料も、スマートフォンによるアップルペイ、air pay等の低手数料の決済手段の出現により、少し様変わりし始めてきました。2019年の消費税増税の際は、現金以外の決済手段促進の為、カードや電子マネーでの決済の際は消費税10%のうち2%程を国が還元してくれる政策も検討されているようなので、この現金離れの流れが進めば、もう現金にかかる作業がなくなるかもしれませんね。

 

 

メリットその3  あちこちにハイテクが。

 

人員不足を理由にすると、その解決策の為には企業は経費を惜しみなく出してくれます。なぜか。だったら働く人間の給与を上げてくれよとも思いますが、まぁ、機械は壊れない限り、休まないし文句も言わないから当然といえば当然ですが。

 

自動織機洗浄器はもちろん、寿司のシャリ玉も機械がやってくれます。生ビールだってグラスを置いてボタンを押せば勝手に出来上がります。

 

それだけじゃなく、近所の回転寿司屋の入り口にはペッパー君が。待ち時間と席の案内もしてくれます。ただ、どう見てもそれはペッパー君じゃなくて普通にタブレットでいいじゃないかとも思いますが。そしてオーダー用のタブレットを置いている店も増えましたね。

 

どんどん店舗オペレーションの無人化、ハイテク化が進んで、このままでは私達の仕事が楽にはなりますけど、仕事そのものが無くなるような気がしてなりません。アルバイトのシフトでさえ、AIが作ってしまう世の中ですから。

 

 

人手不足が生み出した、店舗運営の新しい形、その殆どが20年前には無かった、機械化やIT技術、AIだったりするわけで、後20年後にはどうなっているのでしょうか。まぁ、そうなったらそうなったで、きっと「わざわざ人間がイチから作って、わざわざ運ぶ」お店の価値が高まるのかもしれませんね。

 

 

さて、それでは今日はこの辺で。本日もご来店、ありがとうございました!

 

 

飲食業の人手不足がもたらしたメリット。~人事編~

こんにちは。当ブログにご来店いただき誠にありがとうございます。

 

どうでしょう。忘年会シーズンも目前に迫ってきましたが、この人手不足の飲食業、スタッフは足りてますか?社員はちゃんと休めてるでしょうか?

 

ここで自信満々に、「スタッフは充足しています!準備は完璧です!」とか言える店長さんは少数派なんじゃないでしょうか。求人誌の飲食店の求人数の多さと、上がり続ける募集時給、日経流通新聞の記事がそれを物語っていますね。

 

実際、随分繁華街の飲食店では人手不足からランチタイムの営業を取りやめたり、毎週の店休日を定めるお店が増えてきました。人、いないんですね。不思議なのはこんな状況なのにコンビニエンスストア吉野家やなか卯等のチェーン店は24時間営業を毎日してるんですよね。どんな仕組みなんだろうと驚いてます。大して時給も高くないはずなのに。

 

当店は何とか人は揃った、と言う状況です。まぁ、さっぱり求人かけても応募が来ないので、数少ない応募してきた60歳越えのシニアさんと、国籍を問わずに外国人留学生を受け入れたからですが。ただ、会社全体的には人員状況は絶望的に不足しています。周囲が急激なペースで時給を上げていますが、うちの会社にはそれについていける程の余力は無いらしく、募集時給引き上げの許可も下りないので、これからも苦戦は間違いないでしょう。

とは言え、身の丈に合わない募集時給の引き上げで経営が行き詰った会社もあるようなので、個人的には時給を上げるより業務の効率化が先なんじゃないかと思う今日この頃です。効率化で浮いた経費を時給に回す。それが理想なのですが・・・。簡単なことではないですよね。

 

さて、そんな人手不足ですが、今年一年振り返ってみると、苦労しか事ばかりでしたが、逆に良かった事もあったような気がします。どうも昨今、マイナスイメージでしか語られない飲食業の人手不足ですが、メリットだってありました。

 

 

メリットその1  会社が優しくなった。

 

人手不足です。とにかく部下に辞められるのが一番困るし、上の役職に行けば行くほど、離職率の高さはマイナス評価の対象になるようです。辞めた理由が自身のパワハラなんて言ったら大問題。だからでしょうか。少なくとも直接手を上げたり、暴言で部下を恫喝する行為は少なくなったのではないでしょうか。飲食店は昔から結構多いんですよね。特に職人さんを使う調理場。これは今でも正直ありますが、昔のように新人を朝から晩まで先輩がこき使う姿は最近見かけなくなったのではないでしょうか。一部まだその慣習が残っている職場もありますが。

 

 

メリットその2 待遇が良くなった。

 

一昔から比べれば、アルバイトの時給は全国的に100円から200円高くなり、シフトもずいぶん融通が利くようになりました。良かったですね。ただ、そのしわ寄せは、店長に降りかかるのですが。

 

メリットその3教育の仕方が変わった。

 

これが一番自分でも今年変わったなぁ、と思うことです。それまでは長く同じスタッフが週に3,4日出てきてくれるので、多少いい加減なスタートのトレーニングでも、一月もあれば充分に経験値を積んでくれるので、あとは在籍期間に比例して勝手にレベルアップしてくれました。先輩が卒業する頃にはスーパーアルバイトになっているので、新人が入ってきても教育も任せられますし、後輩もその背中を見て育っているので好循環が続きました。

 

ところが、今ではせいぜい週1,2日の出勤。しかも求人を出しても応募が来ないので、明らかに飲食業に不向きなスタッフでも採用せざるを得ません。当然入店して半年経ってようやくまともに動けるレベルで、後輩の教育もままならないどころか、その背中を見て育った後輩はやっぱり似たようにしかなりません。さらに、新人は若くて活きのいい学生やフリーターばかりではありません。定年を過ぎたシニアさんや、外国人も入ってきます。それまでの教育方法ではとてもとても一人前に、なんてもってのほかです。

 

そこで、きちんとしたマニュアルを作らなくてはならなくなりましたし、オーダーを取る機械一つ取ってみても、文字が小さすぎやしないか、外国人に漢字ばかりでは読みにくくないか、キーの色分けしたほうがいいのだろうか、毎日試行錯誤です。外国人客用に作った英語のメニュー、一番使ったのは外国人スタッフだったと言っても過言ではありません。

 

 

多分人手不足の時代が来なければ、相変わらず飲食業ではパワハラが横行し、給料は安いまま、教育もずさんで、「辞めたら補充すればいい」という状況がまだ続いていたと思います。もちろん、店長は休まない店長が頑張っているとされたあの時代がまだ続いていれば、自分もまだこの仕事を出来ていたかわかりません。だから、この人手不足の時代、各店長さん大変かもしれませんが、「昔は良かった」と言うのは過去を美化しすぎ、だと思いますよ。

 

それでは今日はこの辺で。ご来店、ありがとうございました!

 

 

パワハラの渦の中で。消えたおせち、クリスマスケーキのノルマ。

こんにちは、当ブログにご来店いただき、誠にありがとうございます。

 

 

年末商戦も押し迫ってくると、和食系の飲食店では「おせち料理」の販売ノルマが各店長に課せられます。洋食系ではクリスマスケーキ。コンビニエンスストアだったらその両方。店長は当然自身で購入するのは勿論の事、両親、親戚、知人、友人を巻き込んで、ノルマ達成を命じられます。

 

当然、自分の近しい顧客にもお願いしまくるのですが、あんまりしつこいとその顧客からもこの時期距離を置かれるので、なかなか難しい所です。

さらに仕入れ業者、ビールメーカー、求人や広告を担当している業者は当然の如く、この時期どこの飲食店に行っても、その付き合いを強要されます。

 

まぁ、この辺でノルマがそこそこ済めばいいのですが、会社はまだお願いできる所があると考えます。そう、店で働く従業員たちです。

 

店によっては、その従業員一人一人にノルマを課し、売れなかったら自分で購入するように強要する所も少なくありませんでした。主婦や孫が居る家庭のパートさん、家族持ちの社員であれば、まぁ、自身で別のお店で買いたいクリスマスケーキやおせちもあるでしょうが、ここは付き合いと割り切って、協力はしてくれます。割引制度もあったりするし。

 

問題は、一人暮らしの学生。故郷の両親に頼み込むと言っても、正直な所、なんでそこまでしなきゃならないの?と言うのが本音でしょう。しかも見たことも食べたことも無い自社のおせちやクリスマスケーキ、いくら割引が効いたとしても、そんなに安いものではありません。おせち料理なら少なくとも1万円前後は確実にします。

 

そんな気持ちを慮って、従業員にはノルマを課さずに済まそうと思っても、会社側は、従業員全員にノルマを課して、目標販売額を超えた店長を賞賛し、褒賞します。逆に目標販売額を下回った店長に関しては、評価を下げ、チーム作りが出来てないだの、人間力が足りないだの、熱意が足りないだの、それは言いたい放題の時代がありました。まぁ、サラリーマンですから、数字の結果が全てなのでしょうが無いのですが。

 

それが、ここ数年、従業員に過度に販売ノルマを課したり、売れ残りを買い取らせたりする店長たちがパワハラで訴えられたり、SNSで拡散されてネットニュースになったりと、状況が変わってきました。

 

背景には、飲食業界の人手不足の影響が大きいようです。実際、そんなノルマを課したが最後、下手すれば年末の繁忙期にアルバイトの一斉離職を招いて店が運営できなくなる可能性だってあります。従業員側からすれば、パワハラで訴える前にその気になれば店をどうにかする事などいとも簡単に出来る世の中です。

 

なので、会社も無理なノルマの賦課を店側に課すこともここ数年無くなり、結果販売額も年々縮小傾向にあります。

 

私としても、この流れのお陰で、随分年末営業はノルマが厳しくなくなったので、精神的に楽になりました。正直な所、働いてもらっている従業員に本音では必要の無いおせちだケーキだのを無理に買ってもらったり、知人や両親にお願いしてもらうのは気が引けるので。

 

ただ、楽にはなったのですが、当然その分の売上は減少します。しかも確実に。それをどこかで取り返さなくてはならないのは、サラリーマン店長でなくても個人営業でも変わらないでしょう。

 

ここが難しく、各店知恵を絞っているようです。なにせ結構利益率の高いおせちやケーキに変わるものとなると、そうそうあるものでもないし、代わりに来客を増やすと言っても、そんな簡単に来客が増えるほど世の中甘くは無い訳で。

 

なので、年末年始に家庭で食べてもらう、刺身の盛り合わせとか、金目鯛の煮付け、寿司のオードブル、鍋の具材セットとかを、原価に2割くらいの手間賃をつけて、格安で販売したりします。これはなかなか好評で、なにしろ本当の職人が一から作った料理がスーパーと同じ位の金額で買えるので、年末はこの用意で結構店がバタバタするくらいです。

 

どこかの工場で一斉調理のおせちやクリスマスケーキと比べれば手間隙がかかる割にはそれほど儲かりませんが、やらないよりはまし、というか、従業員から感謝される、というのはお店をやっていく上で、その後もいい関係を築けるいい機会だと割り切れます。意外にもご家庭持ちのパートさんの他にも、年越しパーティをするという事で、学生さんからの注文もあったり、いいじゃないですか。皆で年末の繁忙期を乗り切ったんだから少しくらいおまけしちゃっても。

 

とまぁ、どこもそんな感じなのでしょうか、最近おせちやクリスマスケーキのノルマで苦しんでいる、といった話は少なくなったような感じがします。相変わらずあるところにはあるのでしょうが。時代の流れなんですかね。でも、私個人的には、だんだん少なくなってきている、正月におせちを食べる、という習慣は、日本の食文化として残っていて欲しいと願うばかりです。

 

 

それでは今日はこの辺で。本日もご来店、ありがとうございました!

 

他店の視察に行くなら、大手チェーンのお店に行くのがいいと思う。

こんにちは。当ブログにお越しいただき誠にありがとうございます。

 

飲食店の店長たるもの、競合店の視察は欠かせないと思います。

 

自店と同じくらいの客層、客単価、同業態・・・。

 

たとえ会社がお金を出してくれなくても(実際うちの会社は一円も出してくれません)、自分の興味、趣味として、他店の食べ歩きは欠かさないようにしたいものです。

 

で、私も自分の店に似たような業態のお店、和食店を色々リサーチしました。カミさんとのデートだったり、従業員とのコミュニケーションだったりで。

 

そうしてる中、たどり着いたのは、大手チェーン店の商品、サービスが一番為になるというか、はっきり行って脅威と感じることが殆どです。

 

うちで働いている職人気質の調理人はその辺を、「たかが素人のへっぽこ料理」と最初から否定することから始まるのですが、実際に一緒に行ってみると、最初は揚げ足取りの文句のオンパレードですが、そのうち無言になります。

 

それだけ大手チェーンの料理はしっかりと料理を研究し尽くして、いいものを安定して、しかも低価格で出し続けています。それもそのはず、こっちは数人の職人たちが試行錯誤して、一つの料理を作り出していますが、あちらは膨大なデータと、他店、しかも一流店の研究、本社での大勢による商品開発、そして圧倒的な購買力によるコストダウンを実践しているので勝てるはずがありません。

 

天ぷらとかだったら、半端な和食の調理人では丸亀製麺の天ぷらには太刀打ち出来ません。あの価格でこのクオリティは小規模のお店では絶対不可能です。

 

牛丼だって、吉野家の価格であれと同じクオリティのものをランチで出し続けることはまず無理でしょう。

 

ラーメンの幸楽園、ガストのハンバーグ、サイゼリアのスパゲティとドリア、どれをとっても和食ではありませんが、どれだけ頑張っても、あの価格であの料理を出すことがどれだけ難しいか。

 

焼き鳥にしても、串鳥の焼き鳥、たった一本100円そこそこの値段で同じものを出せるかと言えば到底不可能です。

 

コンビニの弁当だって、親子丼一つとっても、400円程度でふわふわの親子丼が食べられます。

 

勿論、商品価値は料理だけでなく、店の雰囲気やサービス、その他もろもろの要素が組み合わさってその価値が決められるので、一概に商品と価格の優劣で全てが決まるわけではないのですが、大事なのは、「如何に他所が低価格でいいものを出す努力をしているのか」と言う現実を改めて知ることにあると思います。

 

出来合いだろうと、セントラルでの一括調理だろうと、お客様には関係なく、少しでもリーズナブルに美味しい物が常にニーズなわけで、たまにしか揚げない天ぷらよりも、毎日千個以上上げているチェーン店のおばちゃんのほうがよっぽど天ぷら職人な訳で。

 

その現実を知る為、知らせる為にも、視察に行くなら大手チェーン店の料理がとても刺激になります。逆に、それでも何も感じない職人さんは、残念ながら最早淘汰されるべき古いタイプの人材と言えるでしょう。

 

最近一番脅威に思っているのは、スーパーの冷凍食品です。そりゃ宅飲みが流行るよな、と言うくらい、低価格で、しかも美味しい。飲食店と違うのは器ぐらいです。

 

ただ、それを見て、どうせ勝てないと匙を投げるより、飲食店には飲食店でしか味わえない、非チェーン店でしか感じられない感動があると思います。

 

それは、従業員との会話であったり、出来立てのシズル感であったり、サービスだったり、お店の居心地だったりもする訳で、逆に言えば、それだけ飲食店側が今窮地に立たされている、という危機感を常に感じる為にも、やっぱり大手のチェーン店に視察に行きましょう。

 

なんてったって安いしね。

 

それでは今日はこの辺で。ご来店ありがとうございました。

 

 

複数のグルメサイト予約を一元管理。これでらくらくネット予約。しかし減らない電話予約。

グルメサイトの予約を一元管理。このシステムさえあれば、それまで複数のグルメサイトによる即予約のお席の在庫管理を個別にいちいち行っていたのが、全てこのシステムで管理できるので、もう予約のブッキングも怖くない。それが予約管理システムかつ、電子予約台帳。うちの店でもebisol社のebicaと言うシステムを取り入れ、大変お世話になっております。

それまでは、紙の予約台帳に、予約のたびに鉛筆で記入。常連、来店頻度はもはや記憶との勝負。店長、および予約受付担当者の力量次第でした。アナログですが、10年以上当店で働いている、超ベテランかつご年配の従業員にしてみれば、これこそがマストアイテムと言っても過言では無い位、いや、この紙台帳に代わるものなど生きているうちに遭遇するとは夢にも思っていなかったでしょう。

そこへ、それまで触った事すらない、Ipad,タッチパネル入力。学生や若い主婦などの世代はすんなり受け入れてくれましたが、50代以上のベテラン組は猛反発でした。

「なんでもかんでもITって、ついていけない私達を切り捨てるの?」

「こんな機械に操られて!人間味が無い店になるよ!」

とか、何の根拠もない、まずは覚える努力をしてから文句言え、位の非難を浴びながら、無理矢理導入しました。確かに自分も頭が古い方の人間なので、電子台帳ではいちいちタブレットなりパソコンを開かなくてはなりません。それに比べて紙台帳は全てのスタッフがすぐに使えるし、しかも雑に使っても壊れない!だからどちらかというと最初は導入には乗り気ではありませんでした。

ですが、昨今のネット予約の増加、それだけではなく切実な問題、「人手不足」。

年々人員確保は厳しさを増すばかりで、どうしても以前と比べて少人数での営業を余儀なくされる事が多くなっているのはうちの店も例外ではありません。おそらくこれからもこの苦しい状況は続くでしょうし、周りの店を見ると、日本語のたどたどしい外国人、電話応対が不慣れな高校生と思しきアルバイト、それらがメインになっている店も見受けられます。それはきっと、それほど遠くないうちの店の将来でしょう。

今はいいけど、いつかきっと、営業中に予約の電話を受けようにも、トレーニング不足、又は日本語コミュニケーションのあやふやな電話応対、いや、それ以前に手が回らなくて電話に出れない時代が来るかもしれない。そう思ってのこの電子台帳、予約システムの導入でした。

いざ使い始めてみると、最初こそパソコンやタブレットでの入力に戸惑ったものの、人間は慣れる生き物なんですね。手書きで紙台帳に入力するよりよっぽど早くなりました。しかもうちの店には達筆というか、悪筆派が多いので、後から台帳を確認しても、内容の判別に時間がかかることがありましたが、もうストレスフリー。しかもネットさえ繋がっていればどこのパソコン、タブレットでも入力と閲覧が出来るので、これを機に調理場に2台、ホールに3台と中古のタブレットを増設しました。中古なので一台1万円くらいですが、おかげで予約表を印刷する手間も省けましたし、リアルタイムに予約内容を共有できるって、それまでの伝達にかかる労力ってなんだったんだろう、感動さえ覚えます。

そしてここがメインなのですが、ネット予約システム。現在主流になりつつある即予約と言うものを使用するのですが、グルメサイトを経由して予約が入って、自動的に電子台帳に転記されます。ネット予約用の席が満席になれば自動的に全てのグルメサイトのネット予約が停止になり、ありがたいことに予約確定のメールも前日のリマインドもやってくれるので、お店としては一切電話が鳴らず、オペレーションに集中できます。

と、ここまでお話しすると、夢のようなシステムで、いかにも新時代の店舗オペレーションを営んでいるように見えますが、現実は甘くはありませんでした。

確かに導入、入力、管理まではスムーズでした、問題は「ネット予約」にありました。従来の電話予約が期待したほど減らないのです。

最初は、ネット予約の締め切りを前日の22:00に設定しているから、当日予約は電話予約でしか受付できないからか?と思っていましたが、一週間前だろうが3日前だろうが容赦なく電話予約で予約が入ってきます。ネット予約はせいぜい全体の1,2割程度といったところでした。

予約電話の際の聞き込みや、予約内容を分析してみると、原因は当然ともいえるくらいシンプルでした。

1、 リピーターだから携帯電話の電話帳に既に電話番号が登録してある。

ありがたい話です。常連さんにしてみれば、ネット予約するほうが面倒な訳です。会員登録やら予約日の入力やら。だって電話かけて日にちと人数と名前を言えばすぐに済む話ですからね。それに、お店の人と話もしたい訳ですし。

2、 ネット予約の個人情報登録が嫌。

ごもっとも。しかも一度会員登録すると、来るわ来るわのお勧め情報メール。だから電話で済ませたいというのは当然と言えば当然です。しかも、意外とこの個人情報入力、面倒臭いんですよね。

3、 予約内容が重い。

一生に一度の結納の席、顔合せ、親族が一同に会する食事会、同窓会、記念式、接待、上司の送別会、こんな大事な席をネット予約で、出来ないことはないでしょう。ただ、どうやら現代人はそこまでネット予約を信頼できないようです。万が一予約の人数を、予算を、時間を間違ったら・・・・。と考えてしまいますし、細かい要望も直接伝えないと、人間は安心できない生き物のようでして・・・・。ただ、受ける側からすれば、従業員が承るほうが、よっぽどミスも多ければ、聞き間違いもあるんですがね・・・・。

4、 そもそも予約をする人間がネット嫌い。

特に顧客年齢層が高いお店はこの傾向になるようです。ネットやコンピューターにアレルギーをお持ちです。そんな世代にネット予約を!って言ってもそれは無理ってものですね。

うちの店はこれらにほぼ当てはまり、だからネット予約の比率が低いそうです。業者さんの話では、逆に言えば今ならスローペースでじっくり導入できるし、いずれ数年すれば、結局ネット予約が主流になるので、それまでながーいトレーニング期間だと思えば、それはそれでいいのかもしれませんね。

今日も電話が鳴りまくりです。その度に人手を取られてかないませんが、まぁ、それだけお客さんが来てくれるんだからと諦めるしかないようです。お向かいさんの若い客ばかりの洋風居酒屋さんは殆どがネット予約で楽になったらしいですが、うらやましい限りです。要は、業態によりけり、ということですね・・・。

それでは今日はこの辺で。本日のご来店、誠にありがとうございました。

飲食店の現実。人材流出時代の影。人手不足が引き金の店舗崩壊。

こんにちは。当ブログにお越しいただき誠にありがとうございます。

さて、前回とうとう、担当部長から、姉妹店への人員ヘルプを任されてしまった、というより丸投げされてしまいました。せっかく出来上がった自店のシフトを組み直し、1週間のうち、自店の副店長が休みの日は自店での営業、それ以外はほぼ姉妹店のヘルプです。シフトとしてはこんな感じです。

月曜日 副店長が休みなので自店

火曜日 ヘルプ

水曜日 ヘルプ

木曜日 副店長が休みなので自店

金曜日 自店が忙しいので自店

土曜日 自店が忙しいので自店

日曜日 ヘルプ

と、いったところでしょうか。

あれ?休みは?と思ったでしょうか。そりゃあ私だって休みたいです。でも、姉妹店の店長が休めてません。上司の部長も本部とヘルプ店舗を行ったり来たりで休んでません。とてもじゃ無いですが休みたいとは言いにくい状況です。

アルバイトスタッフを姉妹店にヘルプに行かせる方法も考えました。ですがその話を持ちかけるとアルバイトさんの返事はNO。知らない人しかいない所にバイトに行かされるくらいなら休みでいい。当然と言えば当然の反応です。第一、採用時にそんな事説明した覚えも無いですし。

それでもまぁ、1週間もすれば、どこか他の店からヘルプ要員が来るなり、社員が移動になるなり、何とかしてくれると甘く考えていたのですが…。

翌日、また姉妹店にヘルプに入ったのですが、その日は私を含めて昼も夜も4人ずつ人員は配置され、正直もう1人はホールスタッフが欲しいところでしたが、3人よりは遥かにマシ、といったところで、オペレーションも正直ギリギリでサービスが後手に回る場面も多々ありましたが、やはり1人いるといないとでは全然仕事の進みが違います。やっとまともな休憩が取れました。

それにしても人員不足は慢性的で、ここの副店長が辞めた理由もそこにあるのでは、とも思いました。とにかく人手が足りない中営業しているので、サービス業、というより、目の前のお客様を「こなしている」機械的作業がほとんど。しかも所々お客様から苦言をいただくので、これではやりがいも何もあったもんじゃありません。

しかも、本来はお店は少しでも多くのお客様にご来店頂いて、少しでも多くの売り上げを上げる事が企業としての命題なわけで、それで我々は給料を頂いているのですが、人員不足にて予約の電話(と思われる)電話にも出れず、入り口で入場制限をし、予約すら制限し、これでは売り上げが上がるはずがありません。このままでは、それまで前年比をそこそこクリアしていたこの店が、不振店に落ちていくのは火を見るより明らかでした。

それから数日、この店のアルバイトさんに、もう少し出勤できないものか聞いてはみましたが、お昼のパートさんは、

「もういい歳だからね。それに最近忙しくてさ、人が足りないから、キツイのよ。」

夜の学生さんは、

「研究室が忙しいし、毎日学校で正直週一のバイトもキツイんすよ。」

「就活でアルバイトどころじゃ無いんです。出来れば数ヶ月丸々休みたいんです。」

「稼ぎたいと思ったらもう少しいい時給の所に行きますよ。ここ続けてる1番の理由は店長が割とシフトに融通利かせてくれますからねー。」

と、なるほど。早い話が今まで店長やら副店長が何とか頑張って支えてきたからシフトが成立していたわけで、社員が1人いなくなった事で、残ったのは稼ぐ事に今一つネガティヴなスタッフばかり。そりゃシフトが崩壊するのも納得です。

と、それがわかったところで他にどうしようもなく、とは言え私もいつまでもヘルプに通うわけにも行かなかったので、営業終了後、店長と今後どうするか話し合いました。

「店長、この状況じゃいずれ店が崩壊しますよ。社員の補充は目処が立ってるんですか?」

「それがね、いずれ何とかする、とは部長は言ってるんだけど、その部長も他の店のヘルプに行ってる有様だろ?他の店も人員はカツカツで、店長が休みが取れない店はうちだけじゃ無いらしいんだ。だから求人はかけてるんだけど…。反応は厳しいね。」

全てを諦めたように話す店長には、何か秘めたる決心があるようでそれ以上聞くのが怖かった。さらに続けるように、

「調理場のスタッフも最近は何とかホールを手伝おうと、料理を運んだり、テーブルを片付けようとしてくれてる。みんないい奴ばかりさ。学生スタッフやパートさんだって本当は休みたいのに、忙しい中出勤してくれてる。そんな中、俺が休んでる場合じゃ無いだろ?」

こんな状況でも、自分の部下の愚痴をこぼさず、むしろ感謝している。私に同じ事が言えるだろうか?少し自分が恥ずかしくなった。

「私にできる事があれば協力します。何とかこの状況を打破しましょう。」

店長は苦笑いを浮かべながら頷き、こう語りました。

「有難いけど、自分の休みはちゃんと取れよ。休めるうちは休んどけよ。だってそうだろ?もしそっちが同じ状態になったら、今度は俺がヘルプに行くかもしれないんだ。その時に俺も休みづらくなるからさ。」

そして更に、

「何も店長自らヘルプに来なくても、副店長がいるならそっちを寄越してくれ。アルバイトさんが店長、って呼ぶ度2人返事するから困っちゃうってさ。」

最後は冗談交じりにこちらを気遣ってくれました。いい人だ。こんないい人が店長をやっていても、突然降りかかる人材流出と人員不足。飲食業のみならず、売り手市場の現在に於いてはあちこちで現場崩壊の危機にさらされています。

その後、その姉妹店のヘルプについては副店長に代わりに行ってもらう事にしました。意外にも副店長的には他の店を自分の目で見て見たい希望があったようで、活き活きとヘルプに行ってくれてます。それになりより、自店をしばらく開けていると、やたらと仕事が滞っているようで、これがベストな選択だったようです。

そして社員の補充ですが、結局人が集まらなく、当面は本部スタッフが交替でヘルプに行き、店長の休みについては、何とか週一で部長が回してくれる事となりました。部長は一体いつ休めるのでしょうか?1日も早い人員補充を願わんばかりです。

サラリーマン店長で今飲食店の多くはこんな感じです。自営業の方から比べれば、

「あめーよ。」

と言ったところでしょうが。

それでは今日はこの辺で。

ご来店ありがとうございました。

飲食店の現実。人材流出時代の影。地獄の重労働店舗運営。それを人はブラックと呼ぶ。

こんにちは。当ブログへご来店頂き誠にありがとうございます。

ようやく他店のヘルプ地獄からちょっとだけ解放されました。というか、店長自ら他店のヘルプにずっと行ってると、自店がほったらかしになるので仕方なく戻っただけですが。やっぱりホームが1番ですね。でもまた来週、ヘルプに行かなくちゃ…。

さて、前回の続きです。人員が全く足りないまま、ヘルプ先の店長と私、外国人留学生の3人しかホールにいない状態での営業が始まりました。どう考えても店の規模からすれば4人、いや5人は欲しい所です。

ランチ営業スタート。有難いこと(?)に予約は入っていませんでした。が、後で知るのですが、この店ではシフト上人員が足りない時には予約の受付さえ止めてしまうとの事でした。何てことでしょう。予約の方が来る時間もメニューも決まっているのだから、準備ができる分楽なのに。っていうか、売り上げを上げるのが店の命題なのに…。

店は無情にもオープンしました。オープンしてすぐ一組来店がありましたが、静かな立ち上がり。11;00、それ程忙しくはありません。その時間帯は3組7名の来店で難なくクリアしました。この時点での布陣は、案内、レジ周りが店長、オーダー、接客が私、デシャップ料理提供が私と外国人留学生のイー君。

そして12:00。この辺には企業が一杯。当然、ランチタイムはサラリーマンの来店が予想されます。ここから地獄が始まりました。

自動ドアが開くたびに次々と来店。案内の店長は完全に追いついてないので私がフォローに向かいます。しかし、案内してもオーダーを取りに行く人がいません。

イー君にオーダーをお願いしますが、まだ不慣れなのか1組オーダー取るのに時間が掛かってしまいます。あちこちで呼鈴が鳴るので私もオーダーを取りに行きますが、そうなると入口はパンク状態。その人だかりを見て帰って行く後から来たお客様。

料理が調理場から出て来ましたが、それに小鉢やらご飯味噌汁をセットするデシャップのイー君はまだホールにいました。慌ててセットを始めますが、今度は料理を運ぶ人がいません。見かねた調理人が料理を運びますが、そうすると今度は料理をつくる人手が足りません。

完全に店が回っていない状態です。席が空いているのに案内出来ない、呼んでも注文を取りに来ない、料理が出来てもすぐ運べないから少し冷めてる、その料理もやたらと時間がかかる、電話は鳴っているけど誰もが電話に出れない。

最低限のサービスすらままならず、あまりにもの自分の不甲斐なさに、食事を終えたお客様もどこか不満そうに見えました。いや、実際不満だった事でしょう。

13:00には今度はお帰りラッシュですが、精神的にも肉体的にもクタクタです。それでも、各テーブルにそのまま放置された山の様な食器達を片付けなくてはなりません。しかも、夜の宴会の準備も。それを阻む様にちょくちょくラストオーダーまで続く小規模のご来店。

結局ランチタイム閉店まで片付けも夜の準備も進まず、ようやく取り掛かったのは午後15:00。全てが完了したのは16:00を過ぎてました。一応、アルバイトは6時間連続で働かせる事はできないので30分程前に上がってもらいましたが、やっとひと段落。急いで冷めた賄いをかっ込み、17:00の予約のお客様をお迎えするのですが、シフト表を見て目を疑いました。

夜の営業も同じ人数です。20人規模の団体予約が2件、他にもちらほら入っているのですが…。

地獄は更に続きました。夜に出勤してきたスタッフは最近入店したと言う高校生。戦力としては厳しそうです。

しかし時間は待ってくれず、20人の宴席は始まりました。店長自ら新人と宴会担当で、残る私がドリンカー、飲み物のオーダーを作ります。ところが、ドリンクを作っても2人とも料理を出すので精一杯なので、誰も飲み物を運べません。なので私が運びますが…。

昼の営業と同じ展開です。あちこちでオペレーションに不具合が出て、しかもフリーで来店したお客様には全く何も出来ていません。既に呼んでも来ないだの、サービスが悪いだのほぼクレームになってます。

結局、団体の宴会中はフリーの来店については対応しようがない為、入店を断るしかなく、またまた自ら売上を放棄する事態になりました。

そして、宴会が終わり、精も根も尽き果てた状態で、宴会場の片付けです。高校生アルバイトは22:00前には帰さなくてはならないので、そこから先は店長と2人で後片付け。もう2人とも無言です。途中から調理人が手伝ってくれたので、なんとかその日のうちに終わりましたが、これが毎日?と思うとゾッとします。

次の日のシフトを見てみましたが、私を除くと今日と同じ人数です。さすがにそれはヤバイと店長に増員を頼みましたが、力なく首を横に振りながら、

「毎日、LINEやら電話やらでお願いしてるんだけどね、実習やらゼミやらで週一で出てくれればまだいい方ですよ。」

助けてやりたいのもやまやまだが、こっちも自店がある。とりあえず地区の担当部長になんとかしてもらう様に電話をして下さい、とお願いしました。

すると、だからでしょうか、部長から電話が入りました。

「悪いんだけど、しばらく応援に行ってくれないか?こっちも今他の店のヘルプで動けないんだ。お前の店から近いし、すまないが、頼むよ。」

店に戻り、明日以降のシフトの調整をスタッフに夜遅くにお願いし、ここからヘルプ地獄が始まるのでした。