飲食店クレーム、最近風潮って・・・

最近、どこかのTV番組の影響でしょうか、「スカットジャパン」とか言う番組に代表される風潮で、どこか世間では「クレームを言う客」=「ひどい人」と言う図式が出来上がっているような気がします。

そのせいでしょうか、10年昔と比べると、理不尽なクレームはずいぶん減ったように思えます。

かつてのクレームは、それはそれはひどいというか、理不尽極まりないものでした。

例えば、メニューの写真に載っていたラデイッシュ一枚が、実際の料理に乗っていないだけで、お代を払わないぞとわめくお客様がいた位です。その他にも、宴会料理で、隣の客の焼魚と自分の焼魚の大きさが違うだけで、詐欺だの何だの訴える客とか、要はこちらの料理と自分の味の好みが違うだけなのに(他の人は普通に美味しいと食べている)、こんなくそ不味い物を出しやがって、と怒り狂う人が居たりもしました。

一言で言うなら、クレームを「言ったもん勝ち」の時代です。

何でもかんでも、自分の気に食わないものに関してはクレームをつけ、企業や店をそれこそ成敗する、と言うのが風潮だった時代が実際にあったのです。今とは真逆ですね。

勿論、その時代背景に原因があるのですが。時はバブル、高度経済成長期。次々と新しい商品やサービスが生まれてきますが、商品もサービスも全く未成熟。「売る方」の人間に今では考えられない非常識な人間が多くいた時代です。ある意味、好景気を背景に、「客を選んでいた時代」とも言えるでしょう。

象徴的なのが、高田馬場にあった、やたらと客の食べ方や食べる時間に文句をつけるラーメン店の店主ですね。一時期テレビにもいっぱい出ていたので、40代の方なら記憶にあるのではないでしょうか。

一流レストランでは着ている服装で客を入店拒否したり、タクシーは近距離なら断る時代です。高級デパートは貧乏人は相手にもしません。

こんな商売人が横柄な時代だったから(勿論一部の人ですよ)、消費者が勇気をもって企業、店にクレームをつけるのが美徳とされた時代が背景にありました。

ところが月日は流れ、バブルは崩壊し、商品、サービスが過剰になる時代に突入しました。不景気の始まりです。

こうなると、それまでの横柄な商売は通用しません(もちろん、一部の人達ですよ)。各企業ではサービスのあり方が問われるようになり、顧客至上主義、商人はお客様に誠実であることが必要とされる時代になりました。

そうして、商人があるべき謙虚な姿、そしてそれ以上に「神対応」を求められる時代になり、そうなってくると、今度は「クレームをつける客」が、「サービスマンをいじめる人」になって来た訳です。

私たちにとっては、やりやすく、いい時代になったと思いますが、それと同時に、お店の不備を指摘してもらえなくなってきた風潮のように思えます。

お店や企業の事を思ってのクレームは、「ありがたいご指摘」であって、今後の改善点になるという意味では、確かに金言です。大事にしなくては、と、思います。

ところが、こんな時代でも、かつての時代のように、無理難題のありえないクレームは確かに存在します。

心折れて、大好きな仕事が大嫌いな仕事になる前に、いいクレームと、悪いクレームをしっかり見分けて、時には毅然と対応したいものです。

次回から、そんなクレームの数々をまた紹介したいと思います。