飲食店の現実。人材流出時代の影。地獄の重労働店舗運営。それを人はブラックと呼ぶ。

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ようやく他店のヘルプ地獄からちょっとだけ解放されました。というか、店長自ら他店のヘルプにずっと行ってると、自店がほったらかしになるので仕方なく戻っただけですが。やっぱりホームが1番ですね。でもまた来週、ヘルプに行かなくちゃ…。

さて、前回の続きです。人員が全く足りないまま、ヘルプ先の店長と私、外国人留学生の3人しかホールにいない状態での営業が始まりました。どう考えても店の規模からすれば4人、いや5人は欲しい所です。

ランチ営業スタート。有難いこと(?)に予約は入っていませんでした。が、後で知るのですが、この店ではシフト上人員が足りない時には予約の受付さえ止めてしまうとの事でした。何てことでしょう。予約の方が来る時間もメニューも決まっているのだから、準備ができる分楽なのに。っていうか、売り上げを上げるのが店の命題なのに…。

店は無情にもオープンしました。オープンしてすぐ一組来店がありましたが、静かな立ち上がり。11;00、それ程忙しくはありません。その時間帯は3組7名の来店で難なくクリアしました。この時点での布陣は、案内、レジ周りが店長、オーダー、接客が私、デシャップ料理提供が私と外国人留学生のイー君。

そして12:00。この辺には企業が一杯。当然、ランチタイムはサラリーマンの来店が予想されます。ここから地獄が始まりました。

自動ドアが開くたびに次々と来店。案内の店長は完全に追いついてないので私がフォローに向かいます。しかし、案内してもオーダーを取りに行く人がいません。

イー君にオーダーをお願いしますが、まだ不慣れなのか1組オーダー取るのに時間が掛かってしまいます。あちこちで呼鈴が鳴るので私もオーダーを取りに行きますが、そうなると入口はパンク状態。その人だかりを見て帰って行く後から来たお客様。

料理が調理場から出て来ましたが、それに小鉢やらご飯味噌汁をセットするデシャップのイー君はまだホールにいました。慌ててセットを始めますが、今度は料理を運ぶ人がいません。見かねた調理人が料理を運びますが、そうすると今度は料理をつくる人手が足りません。

完全に店が回っていない状態です。席が空いているのに案内出来ない、呼んでも注文を取りに来ない、料理が出来てもすぐ運べないから少し冷めてる、その料理もやたらと時間がかかる、電話は鳴っているけど誰もが電話に出れない。

最低限のサービスすらままならず、あまりにもの自分の不甲斐なさに、食事を終えたお客様もどこか不満そうに見えました。いや、実際不満だった事でしょう。

13:00には今度はお帰りラッシュですが、精神的にも肉体的にもクタクタです。それでも、各テーブルにそのまま放置された山の様な食器達を片付けなくてはなりません。しかも、夜の宴会の準備も。それを阻む様にちょくちょくラストオーダーまで続く小規模のご来店。

結局ランチタイム閉店まで片付けも夜の準備も進まず、ようやく取り掛かったのは午後15:00。全てが完了したのは16:00を過ぎてました。一応、アルバイトは6時間連続で働かせる事はできないので30分程前に上がってもらいましたが、やっとひと段落。急いで冷めた賄いをかっ込み、17:00の予約のお客様をお迎えするのですが、シフト表を見て目を疑いました。

夜の営業も同じ人数です。20人規模の団体予約が2件、他にもちらほら入っているのですが…。

地獄は更に続きました。夜に出勤してきたスタッフは最近入店したと言う高校生。戦力としては厳しそうです。

しかし時間は待ってくれず、20人の宴席は始まりました。店長自ら新人と宴会担当で、残る私がドリンカー、飲み物のオーダーを作ります。ところが、ドリンクを作っても2人とも料理を出すので精一杯なので、誰も飲み物を運べません。なので私が運びますが…。

昼の営業と同じ展開です。あちこちでオペレーションに不具合が出て、しかもフリーで来店したお客様には全く何も出来ていません。既に呼んでも来ないだの、サービスが悪いだのほぼクレームになってます。

結局、団体の宴会中はフリーの来店については対応しようがない為、入店を断るしかなく、またまた自ら売上を放棄する事態になりました。

そして、宴会が終わり、精も根も尽き果てた状態で、宴会場の片付けです。高校生アルバイトは22:00前には帰さなくてはならないので、そこから先は店長と2人で後片付け。もう2人とも無言です。途中から調理人が手伝ってくれたので、なんとかその日のうちに終わりましたが、これが毎日?と思うとゾッとします。

次の日のシフトを見てみましたが、私を除くと今日と同じ人数です。さすがにそれはヤバイと店長に増員を頼みましたが、力なく首を横に振りながら、

「毎日、LINEやら電話やらでお願いしてるんだけどね、実習やらゼミやらで週一で出てくれればまだいい方ですよ。」

助けてやりたいのもやまやまだが、こっちも自店がある。とりあえず地区の担当部長になんとかしてもらう様に電話をして下さい、とお願いしました。

すると、だからでしょうか、部長から電話が入りました。

「悪いんだけど、しばらく応援に行ってくれないか?こっちも今他の店のヘルプで動けないんだ。お前の店から近いし、すまないが、頼むよ。」

店に戻り、明日以降のシフトの調整をスタッフに夜遅くにお願いし、ここからヘルプ地獄が始まるのでした。

飲食店の現実。人材流出時代の影。店から人がいなくなる?

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さて、前回の続きです。

副店長の退職により急な人手不足に陥った僚友店舗を救うべく、ヘルプ要員として週に何度かその店に行く事になったのですが、最初はちょっとしたお手伝いのつもりで気楽に考えてました。そこの店長とも気心知れた間柄だったので、少し甘く見てました。

しかし現実はというと、そこには今、多くの飲食店が抱える人員不足の問題点が凝縮されていました。

まず店に入ると、出迎えてくれたのは開店準備に追われる調理場の社員2名と店長。軽く挨拶を済ませ、自分もフロア掃除に取り掛かる頃、アルバイトさんが出勤してきました。

しかし、たったの2名。しかも外国人。日本語は一応話せる様ですが、かなりたどたどしい。店は大小個室を合わせると80席のそこそこの規模の店舗。一人は調理場に、そしてもう一人がホール…。つまり、私が来なかったら、この日は店長とこのアルバイトのみでホールを回す事になった訳で。

さすがにこれはと思い、店長に疑問をぶつけると、

「他にパートの日本人のおばちゃんもいるにはいるんだ。でも、人手が足りないからって毎日お願いする訳にも行かなくて。だってそれじゃすぐに103万円の壁越えちゃうだろ?それに、もう60をとっくに超えてるんだ。あまり無理はさせられないよ。」

だったら、早く他のパートさんを募集すれば良い、そう思って質問すると、少し溜息をついて、

「知ってるだろ。募集はとっくにかけてる。ほぼずっとさ。でも駅前でも無いこの立地とうちの時給じゃ誰も来やしない。来るのは卒業間近の短期希望の学生か、外国人留学生、おじいさんおばあさんばっかりだよ。」

確かにそれは言えている。私の店はどちらかと言うと大きな駅も近ければ大学も近い、時給に関してはなんとかうちの会社はこの辺の相場のちょっと下くらいのレベルだが悪くは無い。それでも募集広告を出してもあまり良い反応は無い。優秀な人材はどうやったらそれだけ時給を払えるんだ?という位高い時給を出す会社に取られ、来るのは確かに、外国人と高齢者が殆どだ。最近は高校生も来なくなった。殆どが従業員の紹介に頼っているのが現状であった。

話を更に聞くと、今いる学生アルバイトはその殆どが来春の卒業生で、紹介してくれるのも同学年、募集をかけて応募してくるのも来春の卒業生と、もはや来春には店から誰もいなくなるのでは無いかと冗談めかして話していたが、このまま何もしなければ、多分そうなるだろう。

この手の問題は飲食店であれば結構多くのお店が抱えている問題だと思います。もはや待遇改善、時給の引き上げができるか否かが、生き残れる飲食店を分ける分水嶺となり得る時代に既になっているのでしょうか。

そうこうしているうちに開店の時間となりました。おっさん二人と外国人アルバイトのみでホール、似た様な陣営の調理場。不安しか無い状態で店はオープンしました。

続きはまた次号で。

本日はご来店頂き誠にありがとうございます。

飲食店の現実。人材流出時代の影。

御無沙汰してます。当ブログへご来店頂き誠にありがとうございます。

しばらくほったらかしにしていたこのブログですが、それなりに理由があります。

毎日休みなく朝から晩まで働かなくてはならなくなったため、初老の私には家に帰ってからパソコンに向かう(とは言っても愛機は今時iPad3ですが)元気が無くって…。

なんでそんな事になったかというと、そこがサラーリーマン店長の悲しい性、チェーン店ならではの恐怖、人材流出による人員不足を埋め合わせる為に身を切らなくてはならなくなりました。 “飲食店の現実。人材流出時代の影。” の続きを読む

経営者がよく引用したがる“マズロー”の定理、実は給与抑制のための詭弁?

当ブログにお越し頂き誠にありがとうございます。

さて、今日は“マズローの定理”ついてのお話です。

このマズローの定理というのは1943年にアブラハムマズローと言うアメリカの心理学者が提唱したモチベーション理論の事なのですが、ここ数年、やたらとビジネス関連の雑誌に掲載される様になり、飲食店業界では店長教育の一環としてよく扱われる様になりました。 “経営者がよく引用したがる“マズロー”の定理、実は給与抑制のための詭弁?” の続きを読む

人手不足だ!定休日と限定営業!その決断にちょっと待った!その1

飲食業の人手不足は昨今のどんどん過熱気味ですね。若手のフリーターは今やこの日本では、よっぽどの理由が無い限り絶滅状態で、学生さんの争奪戦は熾烈を極めます。最早、外国人留学生や、60歳以上の年配の方の労働力もフル稼働で、まさにどこかの首相さんが言った通りの1億総労働時代です。 “人手不足だ!定休日と限定営業!その決断にちょっと待った!その1” の続きを読む

従業員による未払金請求を防ぐには、まずは待遇改善と、知識を学ぶ。

さて、世の飲食業が恐れ慄く賃金の未払金請求ですが、対応で一番大事なのは、「法律通りにちゃんとやる」これが一番です。

一番ありえない対応が、

「従業員と密なコミュニケーションをとって、信頼関係を築き、後々訴えられない様にする。」

という、 “従業員による未払金請求を防ぐには、まずは待遇改善と、知識を学ぶ。” の続きを読む

過払い金請求?いえ、未払金請求です。従業員からのクレームの時代がやってくる。

テレビでよく見かけますね。過払い金請求。

知らない人のために説明すると、早い話がかつて、カード会社や消費者金融からお金を借りて支払っていた人が、払い過ぎていた金利分を返してもらう様にその消費者金融やカード会社に請求する事です。

かつて、日本の法律では100万円までなら18%、それ以上なら15%以上金利をとってはいけない事になっていましたが、出資法と言う別の法律では29.2%までならOK!というわけのわからない状態になっていたため、 “過払い金請求?いえ、未払金請求です。従業員からのクレームの時代がやってくる。” の続きを読む