サラリーマン飲食店店長流 働き方改革 その3

 こんにちは。本日も当ブログにご来店ありがとうございます。

 

 

さて、事務員も稼動し始めて、ようやく2番手社員の不在を埋めることが出来ました。以前より私自身も体を動かすので、多少の疲労はあるもののとても健康的です。でも休みたいです。

 

後は休むには、「クレーム対応をしてくれる人間」をどうするか。これが課題になってくるのですが、一言にクレーム対応といっても対応は様々で、それにはかなりの経験と臨機応変な対応が求められます。

 

真摯な謝罪は勿論のこと、その後どうするのか、料理関係のクレームならすぐに作り直すのか、それともサービスで一品つけるのか、お会計を値引くのか、それとも頂かないのか。サービス券を渡すのか。

 

手のつけられない大クレームや、悪質なクレーマーの場合は、その場はお帰り頂いて、後日対応するのか、本社に問い合わせるのか。

 

いくらクレーム対応マニュアルがあっても、これが正解といえるような対応は実は無く、殆どがケースバイケース。現場対応力がある程度求められます。

 

ただ、店長がいようがいまいが、人間のすることですから大なり小なりクレームはつき物です。私も数々のクレーム対応で余計にお客様の怒りを買って、大失敗した経験が山ほどあります。誰がやったから完璧、ということはほぼ無いです。

 

一つだけ言えるのは、その場での最終対応、最初はアルバイトさんが謝罪するにしても、最後には責任者が出て行くべきなのですが、その方は料理店なら店長不在なら、まず調理責任者が行ったほうが説得力があります。しかも年配の方なら確実です。なので、当たり前の基本ですが、調理責任者に一任しました。それでも収まらないなら、まぁ、後日自分からお客様にお詫びの電話をするしかないんですけどね。それもまた、経験です。

 

 

ここまで体制が作れれば、もう、店長代理がいなくても休めるようになるはずです。そして気がつきます。意外と休めなかったのは会社のせいではなく、自分が店長代理がいないから、スタッフが不慣れだから、と勝手に決め付けて休まなかっただけ、という事に。

 

そう考え始めると、それからの仕事の仕方も変わります。お店が落ち着き始めたらオペレーションから離れ、スタッフに後は任せて事務所にこもり、自分の仕事をします。実際はサボっているように見えるかもしれませんが、なにかあったら直ぐに事務所から出ることも出来ます。そしてスタッフ自身が仕事を考えてやれるようになるはずです。

 

そして、自分がオペレーションから離れられる=その時間は無駄な時間かもしれませんし、サービス向上のための有意義な時間なのかもしれません。となると、時間の使い方も変わってきますよね。

 

34月に入ったばかりのスタッフ達もいつの間にか細かい指示をしなくても考えて動けるようになりました。いずれこの中からアルバイトリーダー的な存在が現れるでしょう。ようやく、ようやく休めるようになりました。まずは週1日だけですが、もう少し人が揃えばもっと休めるでしょう。

 

 

最後に、何もそこまでしなくても、「店休日」を週一で設ければいいじゃないか、という意見もあり、実際そうしている飲食店は結構あります。ビジネス街のお店なら日曜日、あと宴会が比較的少ない月曜日とかですね。

 

確かにそれが一番手っ取り早くて、確実に休める手法です。間違いありません。店長業務の引継ぎの必要性も無く、店舗あたりの抱えるスタッフも少なく済みます。社員数を減らせるので固定人件費を抑えることもできますしね。

 

ただ、確実に売上は減ります。間違いなく減ります。しかも減るのはその1日だけの売上分だけでは無かったりします。お客様はよほどの常連様じゃない限り、その店休日が何曜日かまでは意識しません。なので、店の前まで来てみて、その時に休みであることに気づきます。落胆と共に。さて、また外食に行こうとなったとき、かたやこの間休みだった店、かたや間違いなく営業している店、どちらに行きますか?

 

また、休みの日にも当然予約等の問い合わせも来るでしょう。どうしてもこの店でなくてはならない理由があるのなら別ですが、電話が繋がらないとなったら、まぁ、最近はネット予約もありますが、それもしたくない人にとっては、近所に似たような店があればそっちでも良くなりますよね?

 

以上の理由から、確実に休んだ日数以上、売上は確実に減ります。昨今コンビニ業界で24時間営業をやめるか否か、の議論が取りざたされていますが、それでも本社が24時間営業の取りやめに否定的なのは、同じ理由です。売上がやめた時間帯以上に減る可能性があるからです。

 

それだけ売上が減っても、損益分岐点の上をキープ出来るなら、店休日を設けた方がいいのでしょうが、それがギリギリか、マイナスになるようでしたら、安易な店休日設定はお勧めできませんね。

 

 

それでは今日はこの辺で、本日もご来店、ありがとうございました!

 

 

飲食店店長がちゃんと休む為に。

こんにちは。久しぶりの営業です。当ブログにお越しいただき、誠にありがとうございます。

 

さて、前回3月の更新だった訳で、それからずいぶん開きましたが、その間何していたかというと、「ほぼほぼ働いていました。」勿論その4ヶ月ずっと休まず働いていた訳ではありませんが、そうですね、40連勤なんてのもありましたよ(笑)。だって休めないんだもの。よその店も人手不足で人員送れないし、来たとしても結局何日かは一緒にやらなきゃいけないから休めないし。

 

なーんて最初の頃はひたすらふてくされて、会社の恨み言を言いながら、転職サイトを開きながら登録もしながら、ただただ働いていた訳です。えっ?その間本社は何も言わないのかって?そりゃ、

 

「駄目だよちゃんと休まなきゃ。残業時間だって最大80時間なんだからね!最低週1回は休まないと法令違反だよ!」

 

とは口では言います。でも人が居ないのでどうにも出来ません。私の出勤状態は本社からもデータでわかるはずなのに、どうなんでしょう、見たくないものは見えないように出来ているんですかね。これが現実。案外周囲の飲食店の店長の話(勿論サラリーマン店長)の話を聞くと、皆似たり寄ったり。その状況が自分自身も、

 

「ま、しょうがないか。他の皆も一緒のようだし。」

 

と変な妥協を生み出す結果となった訳ですが。

 

しかし、そうやって疲労感満載で仕事をしているうちに、ほったらかしの家族、自分の生活を考えた時に、

 

「このままではいけない。こんな状態じゃいつか倒れるし、なにより随分とただ働きじゃないか!これじゃ自分も家族も幸せになれないよ!」

 

と、突然決意しました(遅い)。

 

で、勿論転職も考えましたが、40半ばのこの私、いくら世の中人手不足とはいえ、今より好条件、なんてそうそうありません。

 

そこで、

 

「じゃあ、今の待遇を何とかしよう。休めないのは人手不足の他に今のやり方がよくないはずだ!」

 

と、小さな、サラリーマン店長流の「働き方改革」を始めるの事になったのでした。

 

 

それでは今日はこの辺で。ご来店ありがとうございました!

飲食業の人手不足がもたらしたメリット。~人事編~

こんにちは。当ブログにご来店いただき誠にありがとうございます。

 

どうでしょう。忘年会シーズンも目前に迫ってきましたが、この人手不足の飲食業、スタッフは足りてますか?社員はちゃんと休めてるでしょうか?

 

ここで自信満々に、「スタッフは充足しています!準備は完璧です!」とか言える店長さんは少数派なんじゃないでしょうか。求人誌の飲食店の求人数の多さと、上がり続ける募集時給、日経流通新聞の記事がそれを物語っていますね。

 

実際、随分繁華街の飲食店では人手不足からランチタイムの営業を取りやめたり、毎週の店休日を定めるお店が増えてきました。人、いないんですね。不思議なのはこんな状況なのにコンビニエンスストア吉野家やなか卯等のチェーン店は24時間営業を毎日してるんですよね。どんな仕組みなんだろうと驚いてます。大して時給も高くないはずなのに。

 

当店は何とか人は揃った、と言う状況です。まぁ、さっぱり求人かけても応募が来ないので、数少ない応募してきた60歳越えのシニアさんと、国籍を問わずに外国人留学生を受け入れたからですが。ただ、会社全体的には人員状況は絶望的に不足しています。周囲が急激なペースで時給を上げていますが、うちの会社にはそれについていける程の余力は無いらしく、募集時給引き上げの許可も下りないので、これからも苦戦は間違いないでしょう。

とは言え、身の丈に合わない募集時給の引き上げで経営が行き詰った会社もあるようなので、個人的には時給を上げるより業務の効率化が先なんじゃないかと思う今日この頃です。効率化で浮いた経費を時給に回す。それが理想なのですが・・・。簡単なことではないですよね。

 

さて、そんな人手不足ですが、今年一年振り返ってみると、苦労しか事ばかりでしたが、逆に良かった事もあったような気がします。どうも昨今、マイナスイメージでしか語られない飲食業の人手不足ですが、メリットだってありました。

 

 

メリットその1  会社が優しくなった。

 

人手不足です。とにかく部下に辞められるのが一番困るし、上の役職に行けば行くほど、離職率の高さはマイナス評価の対象になるようです。辞めた理由が自身のパワハラなんて言ったら大問題。だからでしょうか。少なくとも直接手を上げたり、暴言で部下を恫喝する行為は少なくなったのではないでしょうか。飲食店は昔から結構多いんですよね。特に職人さんを使う調理場。これは今でも正直ありますが、昔のように新人を朝から晩まで先輩がこき使う姿は最近見かけなくなったのではないでしょうか。一部まだその慣習が残っている職場もありますが。

 

 

メリットその2 待遇が良くなった。

 

一昔から比べれば、アルバイトの時給は全国的に100円から200円高くなり、シフトもずいぶん融通が利くようになりました。良かったですね。ただ、そのしわ寄せは、店長に降りかかるのですが。

 

メリットその3教育の仕方が変わった。

 

これが一番自分でも今年変わったなぁ、と思うことです。それまでは長く同じスタッフが週に3,4日出てきてくれるので、多少いい加減なスタートのトレーニングでも、一月もあれば充分に経験値を積んでくれるので、あとは在籍期間に比例して勝手にレベルアップしてくれました。先輩が卒業する頃にはスーパーアルバイトになっているので、新人が入ってきても教育も任せられますし、後輩もその背中を見て育っているので好循環が続きました。

 

ところが、今ではせいぜい週1,2日の出勤。しかも求人を出しても応募が来ないので、明らかに飲食業に不向きなスタッフでも採用せざるを得ません。当然入店して半年経ってようやくまともに動けるレベルで、後輩の教育もままならないどころか、その背中を見て育った後輩はやっぱり似たようにしかなりません。さらに、新人は若くて活きのいい学生やフリーターばかりではありません。定年を過ぎたシニアさんや、外国人も入ってきます。それまでの教育方法ではとてもとても一人前に、なんてもってのほかです。

 

そこで、きちんとしたマニュアルを作らなくてはならなくなりましたし、オーダーを取る機械一つ取ってみても、文字が小さすぎやしないか、外国人に漢字ばかりでは読みにくくないか、キーの色分けしたほうがいいのだろうか、毎日試行錯誤です。外国人客用に作った英語のメニュー、一番使ったのは外国人スタッフだったと言っても過言ではありません。

 

 

多分人手不足の時代が来なければ、相変わらず飲食業ではパワハラが横行し、給料は安いまま、教育もずさんで、「辞めたら補充すればいい」という状況がまだ続いていたと思います。もちろん、店長は休まない店長が頑張っているとされたあの時代がまだ続いていれば、自分もまだこの仕事を出来ていたかわかりません。だから、この人手不足の時代、各店長さん大変かもしれませんが、「昔は良かった」と言うのは過去を美化しすぎ、だと思いますよ。

 

それでは今日はこの辺で。ご来店、ありがとうございました!

 

 

案外使えない動画マニュアル。従業員教育あるある。

こんにちは。当ブログにお越しいただき、誠に有難うございます。

さて、人員不足が飲食業のみならず叫ばれる中、少しでも新人を早く一人前に、そして教育にかける時間を少しでも短縮しようと、ここ数年、動画によるマニュアル作成が人気となりつつあるようです。

とはいっても、昔のようにビデオテープに録画して、従業員を一同部屋に集めて上映会、というような代物ではありません。ITの時代、動画をタブレットや個人のスマホで視聴するスタイルです。10年前には考えられなかった時代の進化ですね!

有名どころではteach me biz というのが出回っているみたいで、その動画マニュアルの作り方も簡単!自分のスマートフォン、タブレットで動画を撮影、編集、そして配信まで一つのアプリで完結します。

このアプリで、ご案内、ご注文、料理の出し方などの所作を、その動画を見てもらって覚えてもらい、もう、店長やベテランパートさんがマンツーマンで教えたり、ロールプレイングする必要もなくなる、という事です。

勿論、レジ操作の説明やその受け答えもその動画を見てもらえばよくて、しかも、たとえ忘れてしまっても、いつでも気軽に何度でも、従業員が自分のデバイスで視聴する事が出来るっていう優れもの!ってことになってます。

新しいモノ好きなので、私も実はこれでサービスマニュアルや調理マニュアルを作ろうとお試し版(無料)で始めたことがありました。

まぁ、ここまでお話すればオチはお分かりと思いますが、結論から言うと、定着しませんでした。

理由は、まず、作り手の問題。この場合は私、なのですが、私以外に数人のスタッフにもちろんモデルとして協力してもらいます。やはり撮られる従業員としても後世に残るのが気恥ずかしいのか、なかなか協力者は表れません。なんとかモデルは見つかっても、さすがに営業中に、という訳にはいきませんので、閉店後の作業になります。当然連日残業です。この時点で心が折れはじめました。

そして、受け手、従業員の問題。苦心して動画マニュアルをサイトにアップし、後はサイトに登録した従業員が各自ダウンロードして視聴するだけなのですが・・・・。

誰も見ません。

今迄通り、わからない事があったら直接私なり、先輩たちに聞きに来るし、教える側も今迄通りマンツーマンで教えた方が早いとの意見が圧倒的でした。そもそも、いちいちスマホを持ってきて動画を見るより、目の前の先輩に聞いた方が早いに決まってますよね。それに、わざわざ仕事の時間外にそんな動画をみて予習する人がいる筈も無く、それを強要しようものなら、それって業務でしょ?って話になりますよね。

完全に風化した苦労の結晶の動画マニュアルはその後も稼働せず、とうとう私の心も折れました。今ではその存在は、私と製作に携わったモデルのスタッフだけが知る黒歴史です。

でも、良く考えてみれば、教えたり教えられたり、そのプロセスで上下関係や言葉遣いを学んだり、友人になるきっかけになったりコミュニケーションが取れたり、人と人が教育を通して学んだり得たりする事って、いくら技術が進歩しても、ITやAIでは補えないような気がします。

やっぱり、飲食ってそういう意味ではヒューマンビジネス、ですよね。

それでは今日はこの辺で。

ご来店有難うございました!

経営者がよく引用したがる“マズロー”の定理、実は給与抑制のための詭弁?

当ブログにお越し頂き誠にありがとうございます。

さて、今日は“マズローの定理”ついてのお話です。

このマズローの定理というのは1943年にアブラハムマズローと言うアメリカの心理学者が提唱したモチベーション理論の事なのですが、ここ数年、やたらとビジネス関連の雑誌に掲載される様になり、飲食店業界では店長教育の一環としてよく扱われる様になりました。 “経営者がよく引用したがる“マズロー”の定理、実は給与抑制のための詭弁?” の続きを読む

飲食企業の新入社員、すぐ辞める本当の訳。

4月だ。新入社員の入社シーズンだ。ところが今年も全然人が集まらなかったらしく、うちの店には新入社員の入店はありませんでした。残念なような、少しほっとしたような。

正直な所、今の人手不足の売り手市場、ブラック業種と烙印を押された飲食業に入社する社員の特徴は、

・志が無い。目標が無い。

・他に希望していた業種があったが適わず、仕方なしにこの業種を選んだ。

・高校の先生に勧められてこの業種を選んだ。 “飲食企業の新入社員、すぐ辞める本当の訳。” の続きを読む