続 食中毒クレーム3

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謝罪参りも受け入れられず、私の胃痛とともに1週間が過ぎた。
毎日のように新聞の地方欄にこの事件が掲載されていないか心配しながら、電話が鳴るたびそれが保健所からの「営業停止処分」を知らせる電話ではないかと怯えながら。
事態は突然動いた。
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先方から、「この件について、会計分を差し戻してもらえるなら、今回の件については終わりにするので、謝罪に来たいなら今日にでも来い」と。
すっかり、最悪の結果を予想していただけに、意外な申し出に驚いた。
早速、返金分の現金を用意し、(20万近くではあったが)被害者の病院に向うと、その宴会の幹事様が出迎えてくれた。
30代くらいの若い医者だった。こちらも時間が無いので手短に頼む、との事で、存外にあっけなく、特に恨み言も言われることもなく、極めて事務的に謝罪と返金の面会は終了した。
「良く分からないけど助かった・・・・・」
返金対応について、本社内では意見が割れたらしく、補償は原則被害にあわれた方だけ補償すべきとの声はありましたが、
「対応の長期化は会社にとってもお客様にとってもプラスにならない」
との決断で、異例の即決全額返金となった。
後に、この病院の別のお医者さんからこの対応の急変の理由については、実際に被害にあわれた院長から、
「命に関わったわけでもないし、第一医療に関わる人間が食中毒にかかったと言うのは世間体が悪い。」という体面的な問題(生牡蠣を食べれば何かしら問題が起きる可能性があるのは自明の理)と、
院長が、うちの店をそれまで良く利用していたので、これ以上事を大きくしたくないと言う意向があったからとのことでした。

当然、上の風向きが変われば、下の人間の態度も変わるわけで、一気にこの件については円満に解決しました。
ただ、これは本当に運が良かったケース。一歩間違えれば今頃どうなっていたか。

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今日も、千葉の方で50人以上のノロウイルスによる食中毒と、営業停止のニュースが報じられてます。
本当に、飲食店と食中毒は宿命の関係。衛生についてはいくら気にしても気にしすぎる事はないのですね。
秋風が感じられる昨今、ノロウイルスのシーズン。次号からはその話をしたいと思います。
このウイルス、他の食中毒菌とは比べ物にならないほど容易に、飲食店を営業停止に追い込みます。
とても理不尽なほど。

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