飲食店の現実。祝オープン10周年!ですけどここから始まる修理地獄その1。防災備品は軽視できない。

いらっしゃいませ。当ブログにお越しいただき誠に有難うございます。さて、今回はちょっとめでたいオープン10周年の話。なかなか業界間の競争厳しい飲食業。10年続けられるお店ってそう多くなく、全体の5%程度といわれています。

 

ただ、これはあくまで全体の話なので、大手チェーン系列のお店だったりすると、その店が単体で赤字であっても他のエリアでカバーしたりするので結構10周年までたどり着く割合が高く、そう考えると個人店や小規模のチェーンはなかなか大変のようです。

 

10年ほど経営が続けば大体経営自体は売上予測もしやすいので安定し、スタッフにもベテランが育っていたりします。なので生産性自体も高くなっているので収益性も優れ、なにより、オープン時にそろえた各機材のリース期間が終了したり、ローンが終わっていたりするので、機材にかかる経費が無くなっていきます。

 

「これからは儲けるだけだ!」と手放しでは喜べません。ここから機材が健康寿命を迎え、壊れます。あちこち不具合が発生します。

 

・冷蔵庫、製氷機、温蔵個、冷凍庫などの無いと営業すら出来ない機器。

・洗浄器、炊飯器などの無いととにかく手間がかかる機器。

・ガステーブル、湯沸かし器、排気ダクトなどの放置すると事故に繋がるもの。

・レジ、ハンディ、キッチンプリンターなどのオーダー関係。

・エアコン、洗浄機つき便座。

・非常口誘導灯、非常用照明などの防災関連。

・・・・etc.

 

これらがいっせいに壊れる、寿命になる。なかなかの経費がかかります。

 

今回はその中で、非常口誘導灯、非常用照明などの防災関連設備について経験を下にお話します。

 

<非常口誘導灯>

あれです。白と緑の人が出口に向かっているアレです。普段は殆ど気にも留めないので気にしたことがある店員さんも居ないでしょうが、これは停電時にも点灯していないと意味がありません。その停電時には内臓バッテリーで点灯するのですが、その寿命は大体10年です。しかも、店には以外にあちこちに設置されているケースが多く、その交換が必要になってきます。となると、バッテリー交換だけ?と考えがちですが、この手の誘導灯は何故か大して機能が変わっていないのにモデルチェンジを数年毎にするため、対応するバッテリーが無かったりします。まるでこちらの意図を見透かすかのように。

そう、全交換しかない場合が多いです。

全交換すると、工事業者にお願いすれば一台あたり平気で5万円前後します。部品台は3万円で工賃出張費などで2万円くらいでしょうか。5台それぞれ交換すれば軽く20万円を超えます。

交換しなければ、消防署の定期点検の際に必ず引っかかり、交換するよう指示されます。

 

ここを節減するには、ネットショッピングで誘導灯だけ購入して、店の施工業者にお願いするのがベストです。ネットで部品だけ買えば、せいぜい1万円ちょっとです(笑)。ここでポイントなのは、例えば店に5台オープン時期に取り付けたものがあるのであれば、全て交換することです。なぜなら絶対、同時期に寿命が来ます。

一度に交換すれば、部品代1万円×5=5万円、工賃、出張費で2万円くらいですみますので7万円くらいで交換できます。

 

ただ、注意点としては自分で交換しない事。大体100V以上の電圧を必要とするケースが多いので、思わぬ事故に繋がったりします。そもそも、電気工事者の資格がないと交換できないのですが。社内に資格を持っている人がいればベストなのですが・・・。

 〈非常灯 照明〉

同様に、停電時に店内を照らす非常用電灯、特にビルの中の窓が無い店にはかなり多く設置されているのですが、これも業者に頼むと1個2~3万円はします。こちらも蓄電池バッテリーの寿命が10年するといっせいに切れ始めます。勿論ネットショップで自分で買えば11万円しません。しかもこちらは交換に特に技術は必要無いので、店員でも出来ます。まともにやれば20個交換すれば40万するので、部品を買って自分でやりましょう。その半分で済みますよ。

 

案外営業に直接関係無いので見落としがちですが、2011年の震災時、今回の台風時に停電を経験した方はその非常灯のありがたみを感じたはずです。真っ暗になってしまうと、逃げることも叶いません。携帯すら探せないでしょう。

 

祝オープン10周年、と浮かれたい所ですが、ここからは修繕費との戦いです。なるべく自分で直せるものは自分で直し、その知識は、きっと他の店でも役に立つので、一度全ての施設の状態を確認した方がいいでしょう。そしてその修繕費も予算作成時には計上するのがおすすめです。

 

本日はこの辺で。それではご来店、有難うございました!!!