現役飲食店店長が語る、ケース別クレーム対応マニュアル その4 「料理が不味い」

2021年3月10日

こんにちはいらっしゃいませ!当ブログにお越しいただき誠にありがとうございます!!

さて、前回からケース別のクレーム対応マニュアルを掲載しています。今回は、これまた面倒な、そしてありがちな「料理が不味い」です。

現役飲食店店長が語る、ケース別クレーム対応マニュアル その3。「料理が遅い。」

基本的に、この手のクレームは店が基本的なことが出来ていれば敢えて特別な対応をする必要はありません。

基本的な事とは、

・熱いもの、冷たいものが適正な温度で提供できている。

・写真、サンプルと比べてほぼ変わりない。

・決められたレシピから大きく外れていない。

・料理が痛んでいない。

この辺が守られていれば、後は不味い、美味いは基本的に客側の主観。アナタは不味いと思っていても、隣の誰かは美味しいと思っているかもしれないレベルです。仮に店主が究極の味音痴だったとして、あり得ないくらい不味かったとしても、それを商品として出すか出さないかは店の勝手で、それに対して美味い、不味いを言うのも、SNSで拡散するのも客の勝手です。

にもかかわらず、なかなかこの手のクレームは一定数出てきます。これはファーストフードだろうと高級店だろうと関係ありません。

「なんだこの味は!素材の味が活きてない!」

→知った事じゃない。そう言う調理法だ。

「こんな味じゃ客が離れるぞ!」

→いや、少なくとも美味しいと思っている客がいるから出しているのだが。

「俺の知っている店ではなぁ…}

→店によって味なんて違うのあたり前だろ。

「焼き加減がなってない!」

→じゃあいちいち最初から聞けと?ここはステーキ店じゃない!

「この刺身は新鮮じゃないな。この間と違うぞ!」

→…。全ての魚が水揚げから同時間で調理されるとでも?自分でスーパーで魚買った事ないの?

感覚的ですが、男性の方の方がこの手のクレームは多いような気がします。料理、したこと無さそうな年配の方ほど。確かに最近の若い男性って、料理自分でやりますしね。ちなみにウチの調理人に聞いたところ、外食してそこの料理が口に合わなくてもクレームをつける料理人はいないそうです。黙って行かなくなるけど。それは作っている人の事情がある事はわかってるから、との事です。

さて、対応法ですが、先ほども言ったように、基本的な調理工程がなされていれば、特別な対応は必要ありません。割引、会計辞退などはやり過ぎです。下手をすればそれで味をしめる人が出てきてしまいます。

それでも、いざ、客が激怒している姿を目の当たりにするとこちらも相当のプレッシャーです。しかしこちらは、

「お口に合わなかったようで申し訳ございません。今後の参考にさせて頂きます。」

この定型句で押し切るしか無いでしょう。

「二度と来ないからな!」

「周りのみんなにこの店の事を言いふらすからな!」

「グルメサイトに最低の評価をしてやるからな!」

そんなことも言われるでしょう。そこで「お客様のなさることにこちらはどうこう言えません」などと世間のクレームマニュアルに書いてあるようなありがちワードは避けた方がいいです。それを言ったら、「なんだその態度は!」ってさらに怒られた経験があります。

ここはスルーが最善の選択です。ひたすら帰るのを待ちましょう。

緊急事態宣言もそろそろ解除になると、初見のお客様の率が上がるので、こういった方も出てきます。めげずに頑張りましょう!

それでは今日はこの辺で。本日もご来店、ありがとうございました!!