お仕事の棚卸し

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いらっしゃいませ。当ブログに御来店頂き誠に有難うございます。

さて、前回、「仕事を減らそう」と提言しましたが、その心は、
「仕事を減らして作業時間を減らし、浮いた人件費を時給増にまわそう」
と、言うことになります。
「とっくにやってるわ!」
という突っ込みが来そうですね。

実際、各店長さん苦心して店舗オペレーションの効率化にいそしんでると思います。
ただ、いろんな店を渡り歩きましたが、オープン前の出勤時間を最小限(ギリギリ)まで絞り、接客時間を減らす為にタッチパネルを導入したり、料理も既製品ばかり。
それで今の売り上げは保てるのかなぁ・・・。スタッフ皆ピークタイムには汗だくだし、クレームが発生しても店長は手が離せないし。
スタッフが疲弊してる店が多かったように感じました。
いや、実は私もそうでした。毎日店内走り回って、もはやサービス業、というより、来たお客様を「こなす」だけの毎日。
店長がそんなだから部下にホスピタリティの何たるかなど、あるはずもなし。
結局、店の質は下がり、スタッフは徐々に離れていきました。
このままではいかんと思い、なんとかならないかとネットや本屋で調べていると、
「仕事を棚卸ししなさい」
と。
パソコンに向って一日の作業項目を一つ一つ、騙されたと思って列記しました。
店を開ける
照明をつける
掃除を始める
コーヒーメーカーを立ち上げる
ビールサーバーをセットする
予約の確認とセッティング
ランチのセットの盛り置き
ご飯を炊く
納品チェック
・・・・・etc
膨大な、それはもう膨大な量です。そこでふと気づきました。
「この時間にやらなくてもいい仕事がずいぶんあるな」
具体的に言えば、夜の客席の掃除、朝も同じ事をやってました。
洗い物もわざわざ夜やら無くても朝やれば良くて、シンクにつけとけば良く、
次の日の宴会の備品を夜中にやったり、朝やれば済む仕込み作業をディナーのピークタイムが終わってからやったり、
細かいところでは客席に箸をあらかじめ並べたり、コーヒーソーサーをスプーンとシュガーをセットして並べたり。
特に営業終了後の深夜の片付け、掃除、次の日の用意が恐ろしいほど多く、なぜそうしているのか、スタッフに聞いてみると、
「ずっとこうしてきたから」
でした。
そこで、まずは深夜の作業を減らすことを考えました。夜の掃除、洗い物、次の予約の準備は全て翌日に回しました。
当然、朝のパートさんから仕事が増えたと大ブーイング、なのでその分朝のスタッフの出勤時間を早め、人員も増やしました。
その分、深夜のスタッフは早く切り上げ、人員も減らしました。
すると・・・・
全く問題なく店がまわるどころか、夜のスタッフからは(特に学生)
「終電前に帰れて嬉しい!明日も朝から学校なんで」
と好意的な声。昼のパートさんからも、
「実は家の事が終わってから、出勤時間まで時間が空いてたの。無駄な時間が無くなって良かった!」
「オープンワークの人が増えたからみんながいて楽しいし、楽になったわ」
そして何より、オープンワーク人員が増えたことで、朝礼や伝達事項を伝える時間にゆとりが出来、以前より多くのスタッフに伝えることも出来、私自身、スタッフとのコミュニケーションの時間が増えました。
全体的な労働時間は変わりません。夜やってたことを朝に回しただけですから。
でも、経費的には大きな違いがありました。それは・・・・・
「深夜手当てが大幅に減った」
これに尽きました。
仮に1000円の通常時給だとして、深夜22:00移行は1000×25%=1250円。
さて、深夜の作業4時間分を朝に回すだけで、250円×4×1ヶ月(30日)=30,000円!
アルバイトの平均時給、仮に毎月1,000時間使う店だとして、30円はノーリスクで上げられますよね。

そして朝の仕事は確実に時間通りに終わります。それは何故かというと・・・・
「朝の仕事は店の開店時間がリミットだが、夜は終わり次第。しかも皆疲れていてかつ眠い」
という事でした。
まぁ、とっくにやってるお店も多いかも知れませんが、この辺をしっかり取り組んでから募集をかけないと、自分の首が絞まるだけですよ。
ほら、また一等立地のあの店が閉店しました。募集時給は確か、うちより100円高かったはずですが。

それでは今日はこの辺で。御来店ありがとうございました。

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