AED。
勿論電球の事ではありません。
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《automated external defibrillator》自動体外式除細動器
患者の心臓が一時的に停止した際、救急車が来るまでの間、電気ショックで心臓を蘇生させる装置の事なんですけど、まず、どこにあるかご存知でしょうか?
どこかのビルテナントだと、大体ビル管理室のすぐ近くに、ショッピングセンターだと、結構同じフロアのあちこちにあったりするんですけど、ほとんどの人が、
「そう言えばどこかで見たような」
という存在でしょう。
実は割と飲食店では、特にここ最近、顧客の高齢化に伴って、知らないでは済まされないものになりつつあります。
事実、私もここ数年で2度ほどお世話になりました。
ただ、そう言う私も、その存在はなんとなくAED講習で習ったような…。
な存在で、正直使い方なんて知るどころか、自分には関係無いものだと思ってました。
ところが、
ある日曜の冬のランチタイムの事でした。
どうやら同じ中学校の同窓会、という事で、80代のご年配の方の飲み会が開かれておりました。
昔話に花を咲かせ、それはそれは楽しそうなご宴席。お互いに孫の写真を見せ合ったり、自分も歳をとったらこんな感じの飲み会をしたいと思ってました。
ところが、会も中頃になった頃、スタッフが慌てて私の所に駆け寄って来ました。
「店長!大変です!お客様が倒れて動きません!」
事態は一変。辺りに緊張感が張り詰めました。
お部屋に向かうと、顔面蒼白のお客様が。ご友人の呼びかけにも全く応じません。もしやと友人の1人が手首で脈を測るも全く分かりません。
何よりみんな浮き足立って、正常な判断ができない状態でした。
私も、よくお客様が持病や急性アルコール中毒で倒れる姿はよく見ていたので、それ事態は慣れていたつもりでしたが、死人のように顔面蒼白で、息もしていない状態は初めてで、すっかり気が動転していました。
すぐさま別のスタッフに救急車を呼ばせ、その間に周りの友人に持病の心当たりはないか聞いて見ましたが、誰も分からず、そうこうしている間にますます顔色が悪くなって行きます。
お客様の1人が、AED…。と呟いたので、我に帰り、急いで店のすぐ外にあるAEDを持って行きました。
しかし、そこからどうしたらいいか全く分かりません。取り敢えず、機械に書いてある通り開けて見ると、服を脱がしてパットを貼り付けろ、とか自動音声で指示がされるので、それに従っていたら意外と簡単にセット出来ました。
その時でした、口元が少し動いたので、
「なんだ、早とちりか。それにしても良かったー。」
と、周囲が安堵した時、突然機械が、
「電気ショックを始めます、身体から離れて下さい」と喋り始めました。
「バスン」
という音とともに、身体が痙攣しました。
「ただちに胸骨圧迫を行なって下さい」
また機械が喋り出します。ご友人の1人が心臓マッサージを始めました。
しばらくすると、また、
「身体から離れて下さい」とのメッセージの後、電気が流れました。
そしてまた心臓マッサージを再開。
そんな事をしてる間に救急隊員がやってきて、交代。
その動作を続けた後、大丈夫になったのか、救急車で運ばれて行きました。
後から聞いたのですが、私が口元が動いた様に見えたのはただの痙攣反応で、そのまま何もしていなければ、まず助からなかったそうです。
その救急隊員がいうには、まず、人が倒れたらすぐにAEDは用意した方が良いそうです。心電図を見るのにも使えるし、心臓が止まってなければ電気ショックも無いわけだし。もっと気軽に身近に使って欲しい、との事でした。
ただ、私の場合はどちらも高齢の男性だったので、服を脱がせて装着することには抵抗はありませんでしたが、相手が女性だと男性の方は抵抗はあるかもしれません。
その時の為に女性スタッフに使い方を教えておく事も大事ですが、緊急時、そんな事を言ってる場合じゃ無いので、まずは命を最優先させましょう。
ところで、そのAED、どこにあるか把握してますか?
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