現役飲食店店長が語る、コロナ禍で飲食業のブラック化が加速!こんな会社は気を付けろ!〜社員編その1〜

2021年1月28日

こんにちはいらっしゃいませ!当ブログにお越しいただき誠にありがとうございます!!

さて、前回までは”飲食店で働くならこんなアルバイト先は気を付けろ”って話をしましたが、今回は社員編です。

現役飲食店店長が語る、コロナ禍で飲食業のブラック化が加速!こんな会社は気を付けろ!~アルバイト編 その1~

年が明けてから日々、倒産する飲食業が激増しているので、今までの経験を生かしてなんとかまた飲食業で正社員として働こうとする方、飲食業以外だけど将来の事を考えて手に職をつけようとしている転職者、今世の中に溢れています。

少し前、たった一年前は、「飲食業就職=人生オワタ」みたいに酷い言われようだったこの業界、コロナが変えました。

ただ、それが幸いして一年前の絶望的な人手不足は解消しましたが、その代わり、改善傾向だった飲食業の待遇は良くなるどころか悪くなる流れになりそうです。何故なら、黙っていても就職希望者が来てくれるから。

それをいい事に待遇を悪くする(安くこき使う)、あるいはもともと悪い待遇を改善しない企業が増えます。今回はその見分け方の話をしますね。

1、退職金制度が無い。

求人票ですぐわかります。退職金が無い=社員を長く使うつもりが無い、と言っているようなものです。つまり、経験豊かな社員は要らない。給与が高いから。それなら若くて元気で安く働いてくれる人が良い、そんな会社です。

例外として、退職金が無い代わりに給与ベースが高い会社もあるかも知れません。ただ、それは若いうちにしっかり稼いで早々に独立するなりしてくれ、と言う事でもあります。よほどできる人なら高給で役員にでもなるでしょうが。

これは企業の理屈もわかります。同じラーメンを一杯作るなら、レシピさえあれば20年働いた人と1年選手、ぶっちゃけそんなに変わりません。新しい料理を開発するなら経験も必要でしょうが、今はネット社会。新しい料理は瞬く間に真似されます。だったら安い人件費の若者の方が良いはずです。

ただ、店は料理やサービス技術だけじゃないはずなのですが。

人材育成、従業員、顧客とのコミュニケーション能力はある程度人生経験を積まないと出来ません。その所を軽視している会社、とも言えます。はっきり言ってお勧めできません。

2、給与ベースの幅が広すぎる。

よく見たことありませんか?

ホール社員(店長候補)、20万~35万

調理社員(調理長候補)、20万~40万

随分幅がありますね。勿論求人情報に嘘は書けないので、このカラクリはと言うと、最低給与の20万は本当です。それがスタートですから。ただ上限の35万や40万は、

「過去にそれだけもらった人がいた」

と言うだけの話。実際にはそこまで行かないでしょう。よほどの実力があれば可能かもしれません。ミシュランで星を取った事があるとか、一部上場企業でスーパーバイザーを務めたとかがあれば、ですが。

いや、そんな馬鹿な!と思うかも知れませんが、よーく考えてみてください。現在日本の企業の合法に働ける時間数は、1か月残業MAXでも250時間程度。しかも一年のうちで最大6か月までです。40万払うには1時間1,600円ですよ?しかもこれが手取りだったら社会保険が別途かかればそれ以上。その他に賞与?よほど儲かっている会社じゃなければ入社して数年の社員にそこまで払えません。

つまり、求人票に出ているのは基本総支給額で手取りではありません。と、同様に広すぎる幅の給与額はそれだけ過大によく見せようとしている、と言う事です。

まぁ、転職者であれば、最初は安い給料で働く覚悟は持ってこちらの世界に来ていただければ、とだけ言っておきましょう。料理技術も学べて休みもしっかりあって、給与もそこそこ貰えるほど、飲食業は甘く無いですから。

さて、今回はここまでにしておきます。え?アナタの会社の事じゃないのかって?想像にお任せします(笑)。

それでは今日はこの辺で。ご来店ありがとうございました!!!