飲食業の人手不足がもたらしたメリット。~人事編~

こんにちは。当ブログにご来店いただき誠にありがとうございます。

 

どうでしょう。忘年会シーズンも目前に迫ってきましたが、この人手不足の飲食業、スタッフは足りてますか?社員はちゃんと休めてるでしょうか?

 

ここで自信満々に、「スタッフは充足しています!準備は完璧です!」とか言える店長さんは少数派なんじゃないでしょうか。求人誌の飲食店の求人数の多さと、上がり続ける募集時給、日経流通新聞の記事がそれを物語っていますね。

 

実際、随分繁華街の飲食店では人手不足からランチタイムの営業を取りやめたり、毎週の店休日を定めるお店が増えてきました。人、いないんですね。不思議なのはこんな状況なのにコンビニエンスストア吉野家やなか卯等のチェーン店は24時間営業を毎日してるんですよね。どんな仕組みなんだろうと驚いてます。大して時給も高くないはずなのに。

 

当店は何とか人は揃った、と言う状況です。まぁ、さっぱり求人かけても応募が来ないので、数少ない応募してきた60歳越えのシニアさんと、国籍を問わずに外国人留学生を受け入れたからですが。ただ、会社全体的には人員状況は絶望的に不足しています。周囲が急激なペースで時給を上げていますが、うちの会社にはそれについていける程の余力は無いらしく、募集時給引き上げの許可も下りないので、これからも苦戦は間違いないでしょう。

とは言え、身の丈に合わない募集時給の引き上げで経営が行き詰った会社もあるようなので、個人的には時給を上げるより業務の効率化が先なんじゃないかと思う今日この頃です。効率化で浮いた経費を時給に回す。それが理想なのですが・・・。簡単なことではないですよね。

 

さて、そんな人手不足ですが、今年一年振り返ってみると、苦労しか事ばかりでしたが、逆に良かった事もあったような気がします。どうも昨今、マイナスイメージでしか語られない飲食業の人手不足ですが、メリットだってありました。

 

 

メリットその1  会社が優しくなった。

 

人手不足です。とにかく部下に辞められるのが一番困るし、上の役職に行けば行くほど、離職率の高さはマイナス評価の対象になるようです。辞めた理由が自身のパワハラなんて言ったら大問題。だからでしょうか。少なくとも直接手を上げたり、暴言で部下を恫喝する行為は少なくなったのではないでしょうか。飲食店は昔から結構多いんですよね。特に職人さんを使う調理場。これは今でも正直ありますが、昔のように新人を朝から晩まで先輩がこき使う姿は最近見かけなくなったのではないでしょうか。一部まだその慣習が残っている職場もありますが。

 

 

メリットその2 待遇が良くなった。

 

一昔から比べれば、アルバイトの時給は全国的に100円から200円高くなり、シフトもずいぶん融通が利くようになりました。良かったですね。ただ、そのしわ寄せは、店長に降りかかるのですが。

 

メリットその3教育の仕方が変わった。

 

これが一番自分でも今年変わったなぁ、と思うことです。それまでは長く同じスタッフが週に3,4日出てきてくれるので、多少いい加減なスタートのトレーニングでも、一月もあれば充分に経験値を積んでくれるので、あとは在籍期間に比例して勝手にレベルアップしてくれました。先輩が卒業する頃にはスーパーアルバイトになっているので、新人が入ってきても教育も任せられますし、後輩もその背中を見て育っているので好循環が続きました。

 

ところが、今ではせいぜい週1,2日の出勤。しかも求人を出しても応募が来ないので、明らかに飲食業に不向きなスタッフでも採用せざるを得ません。当然入店して半年経ってようやくまともに動けるレベルで、後輩の教育もままならないどころか、その背中を見て育った後輩はやっぱり似たようにしかなりません。さらに、新人は若くて活きのいい学生やフリーターばかりではありません。定年を過ぎたシニアさんや、外国人も入ってきます。それまでの教育方法ではとてもとても一人前に、なんてもってのほかです。

 

そこで、きちんとしたマニュアルを作らなくてはならなくなりましたし、オーダーを取る機械一つ取ってみても、文字が小さすぎやしないか、外国人に漢字ばかりでは読みにくくないか、キーの色分けしたほうがいいのだろうか、毎日試行錯誤です。外国人客用に作った英語のメニュー、一番使ったのは外国人スタッフだったと言っても過言ではありません。

 

 

多分人手不足の時代が来なければ、相変わらず飲食業ではパワハラが横行し、給料は安いまま、教育もずさんで、「辞めたら補充すればいい」という状況がまだ続いていたと思います。もちろん、店長は休まない店長が頑張っているとされたあの時代がまだ続いていれば、自分もまだこの仕事を出来ていたかわかりません。だから、この人手不足の時代、各店長さん大変かもしれませんが、「昔は良かった」と言うのは過去を美化しすぎ、だと思いますよ。

 

それでは今日はこの辺で。ご来店、ありがとうございました!

 

 

案外使えない動画マニュアル。従業員教育あるある。

こんにちは。当ブログにお越しいただき、誠に有難うございます。

さて、人員不足が飲食業のみならず叫ばれる中、少しでも新人を早く一人前に、そして教育にかける時間を少しでも短縮しようと、ここ数年、動画によるマニュアル作成が人気となりつつあるようです。

とはいっても、昔のようにビデオテープに録画して、従業員を一同部屋に集めて上映会、というような代物ではありません。ITの時代、動画をタブレットや個人のスマホで視聴するスタイルです。10年前には考えられなかった時代の進化ですね!

有名どころではteach me biz というのが出回っているみたいで、その動画マニュアルの作り方も簡単!自分のスマートフォン、タブレットで動画を撮影、編集、そして配信まで一つのアプリで完結します。

このアプリで、ご案内、ご注文、料理の出し方などの所作を、その動画を見てもらって覚えてもらい、もう、店長やベテランパートさんがマンツーマンで教えたり、ロールプレイングする必要もなくなる、という事です。

勿論、レジ操作の説明やその受け答えもその動画を見てもらえばよくて、しかも、たとえ忘れてしまっても、いつでも気軽に何度でも、従業員が自分のデバイスで視聴する事が出来るっていう優れもの!ってことになってます。

新しいモノ好きなので、私も実はこれでサービスマニュアルや調理マニュアルを作ろうとお試し版(無料)で始めたことがありました。

まぁ、ここまでお話すればオチはお分かりと思いますが、結論から言うと、定着しませんでした。

理由は、まず、作り手の問題。この場合は私、なのですが、私以外に数人のスタッフにもちろんモデルとして協力してもらいます。やはり撮られる従業員としても後世に残るのが気恥ずかしいのか、なかなか協力者は表れません。なんとかモデルは見つかっても、さすがに営業中に、という訳にはいきませんので、閉店後の作業になります。当然連日残業です。この時点で心が折れはじめました。

そして、受け手、従業員の問題。苦心して動画マニュアルをサイトにアップし、後はサイトに登録した従業員が各自ダウンロードして視聴するだけなのですが・・・・。

誰も見ません。

今迄通り、わからない事があったら直接私なり、先輩たちに聞きに来るし、教える側も今迄通りマンツーマンで教えた方が早いとの意見が圧倒的でした。そもそも、いちいちスマホを持ってきて動画を見るより、目の前の先輩に聞いた方が早いに決まってますよね。それに、わざわざ仕事の時間外にそんな動画をみて予習する人がいる筈も無く、それを強要しようものなら、それって業務でしょ?って話になりますよね。

完全に風化した苦労の結晶の動画マニュアルはその後も稼働せず、とうとう私の心も折れました。今ではその存在は、私と製作に携わったモデルのスタッフだけが知る黒歴史です。

でも、良く考えてみれば、教えたり教えられたり、そのプロセスで上下関係や言葉遣いを学んだり、友人になるきっかけになったりコミュニケーションが取れたり、人と人が教育を通して学んだり得たりする事って、いくら技術が進歩しても、ITやAIでは補えないような気がします。

やっぱり、飲食ってそういう意味ではヒューマンビジネス、ですよね。

それでは今日はこの辺で。

ご来店有難うございました!