現役店長が語る飲食店クレーム対応マニュアル そのⅠ~基本対応編~

2021年2月19日

 こんにちはいらっしゃいませ!!当ブログにご来店いただき誠にありがとうございます。

昨今コロナ関係の記事ばかりだったので、今日から趣向を変えて、飲食店が商売である限り宿命の「クレーム対応」について掘り下げようと思います。

 クレーム対応マニュアル的なものは世間にはネット、書籍など数多あり、今更感は拭えませんが、現役で店長やっている私から言わせると、どれも「理想的なうまくいった例」ばかりなんですよね。そして常識的。当たり前ですよね。じゃなきゃ売れないですもの。

 ここで私が説明するのは実際にあった例で、うまくいかなかった例も載せます。だから参考にならないかもしれませんが、それがリアルだと大目に見てごらんいただければ幸いです。

クレーム対応の基本その1~クレーム対応は店長はなるべく後にでるべし~

 大体のクレーム対応マニュアルでは、

 クレーム発生→店長に報告→店長が謝罪

 この時間が短ければ短いほど良いとされています。最高責任者の対応が早ければ早いほど、クレーム客は安心すると。

 ただ、これはよほどその店長の対応力が高い場合に限られます。コミュニケーション力、交渉力がとびぬけて高い場合です。

 よくあるのが(私が実際経験したのが)、実際にクレーム内容、客の怒り具合、シチュエーションを聞くには聞いたが、どう対応するかを考えている途中で対応に向かい、激怒中の客の前で言い間違い、失言、不要な沈黙で余計に怒りを買い、どうにもならなくなり本社にクレームが数倍盛られてメールが行ってしまいました。

 基本的に人間そんなに怒り続けられるものではありません。まずこれが基本。クレームが発生したら出来るだけ店長対応まで時間をかけた方が、お互いに冷静になった状態で話しが出来る事がほとんどです。

<例>

クレーム発生

当該の従業員による謝罪→これで終われば改めて店長が謝罪して終了。

客、怒り収まらず

店長補佐的準責任者による聞き取り、謝罪→これで終われば改めて店長が謝罪して終了。

客、怒り収まらず

店長による謝罪

客、怒り収まらず

後日、改めて店長&上司による謝罪

と、ここまでステップを踏めば、大体は店長自ら出るころには、クレーム客も少し落ち着いてます。まぁ、内容にもよりますが、「同じことを何度も言わせるな!」と怒る方も勿論います。しかし、こちらもどう対応するか考える時間も稼げますし、怒っている方も「よくよく考えれば起こるほどの事か?」と冷静になる場合もあり、しかも昨今の風潮は、行き過ぎたクレームは逆に訴えられたり、SNSで叩かれる傾向にあります。なのでそこからさらにこじれる事ははっきり言ってレアです。

 ただ、ここまで時間を稼いでも、店長も人間です。謝罪の際のうっかり発言や失言、対応の悪さ、客との相性でさらにこじらせてしまう事って長い事やっていれば確実にあります。絶対に許してくれないタイプのお客さんだっています。

 それに…。店長自身がクレームの対象になるケースも当然ありますよね。こうなるともう、時間すら稼げません。

じゃあその場合どうするの?ってお話を次回しますね。

それでは今日はこの辺で!本日もご来店、ありがとうございました!