飲食店のおせちが売れると信じて疑わない、コロナ禍のブラックなおせちノルマ。

2020年10月24日

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まだ秋になったばかりというのに、もう百貨店ではお節料理の予約がはじまってます。今年のトレンドは、いや、今年のトレンドもどうやら豪華おせち。いろいろあった今年を象徴するように、やっぱり年末年始もステイホーム。海外旅行などに出かける家庭は少ないでしょうから、自宅でまったり、その分お金を使わないので「高いおせちが売れる」と高単価の豪華なおせちがラインナップされています。

 さらに今年はコロナ対策で同じお重から取り分けずに済むように、小分けになったおせちも販売されてますね。同じ部屋にいるのに家族同士でどれだけの意味があるんだよと突っ込みどころは満載ですが。

さーて、こうなってくると飲食店の、特に和食業態を持っている企業はこぞっておせち販売に力を入れてきます。うちの会社もご多分に漏れず、それはそれは昨年の倍くらいの販売目標を掲げてみたりします。

 ただ、はっきり言って見込みが甘いと言わざるを得ない。

 今のところ、お客様にセールスついでにリサーチしたところ、こんな意見が多く聞かれ、今年はそんなに売れそうにない、というのが今のところの感想です。その意見とは…。

1、実家にだれも帰って来ない。

 これはお盆にも見られた事ですが、両親がいる実家に帰ろうとしない家庭が多いようです。大半はご高齢の両親に万が一コロナを感染させたら、ということで、今年は実家に帰るのかどうかをまだ決めかねている方が依然として多い、ということですが、それをもっともらしい理由に旦那の実家に帰りたくない奥様も多いようです(笑)。

 そんな状況なので、今年は帰省も例年ほどにはならないかもしれません。じゃあおせちは売れないよねって事です。

2、時間が山ほどあるので自分で作れる。

 よしんば年末年始実家に集まるにも、今年はステーホームしているので時間が山ほどあるようで、例年だったら作るのが面倒なお節料理を作る時間があります。特に今までお昼のパートに出ていた奥様方も、ずっと自宅待機中。そう、お金はないけど時間はたっぷりあるので自分で作れるのです。しかも自分が、家族が好きなものだけ。なにもわざわざ飲食店からおせちを買う必要がなかったりします。

3、そもそも金がない。

 さっきも言いましたが、基本的にみんな収入減になっています。旦那は残業カット、ボーナスカット、冬のボーナスなんてない所が多いのです。奥さんのパート時間も激減。子供のアルバイト先も縮小、時短なので収入減。夏前の10万円給付金なんて焼け石に水。しかも来年もこれからどうなるか先行き不明のこの時代、敢えて豪華なおせちを買うかといえば微妙なところです。

 と、ここまで考えると、プラス要因としては、海外旅行に行かない方が多いから売れるという要素と、マイナス要因としては先ほどの理由で相殺されると思います。結果、去年とそんなに変わらない販売数になるのでは?というのが個人的な見方です。

 それにもかかわらず、売れ売れと本社は責め立てます。ここで売れなきゃ会社がやばいと言いながら、かつてパワハラと言われた強制販売、ノルマ未達成時の買取が始まりそうな予感がしています。店長たるもの、売る方法は考えて、やれる限り実行する、それは至上命題ですが、後で訴えられるような従業員に対しての強制的な販売や買取強要は絶対に避けましょう。おせちがそんなんで売れても、そのあと部下がいなくなったら何の意味も無いですから。

それでは今日はこの辺で。本日もご来店、ありがとうございました!