飲食店クレーム 食中毒3

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さて、食中毒クレームを本社の上司に報告、となったですが、当然上司もあまりにもの急な知らせ&バッドニュースに絶句。
早速、「事態を時系列に報告書を作成して、原因の追究に努めろ、対応については追って指示する」
との命令が下る。
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のですが、原因の追究って言ってもねぇ。
大体、このケースの場合、可能性のある食材は全て使用済みの場合が多く、残っていたとしても、それが明らかに腐っているとかしない限り、もはやわからない。
なぜなら、食中毒の原因で最も多い「細菌系」や「ウイルス」の場合、見た目、臭いでは全く判別がつかないからだ。
しかも、普通、一般の飲食店に、それらを検出する術はないのです。
なので、お客様にも、「こちらで調べますので」とはいったものの、調べる術は実はないのです。
保健所で調べてもらう、と言う方法もありますが、それでうっかり何かの細菌やウイルスが検出されれば営業停止まっしぐらなので(直接的な関連がなくとも)、わざわざ調べてもらう必要は全く無いわけで。
一応、報告書提出と食材の確認はしましたが、結局何もわからず。
お客様の容態、発症までの時間から、「腸炎ビブリオ」のよる食中毒ではないか、との推測がなされました。
腸炎ビブリオ、魚介類に多く付着する食中毒菌の一種で、増殖速度がやたらと速く、摂取すると、数時間で吐き気、下痢などの症状が現れる。ただ、真水に弱く、水道水でよく食材を洗うことで、容易に死滅する細菌です。
ただ、あくまで推測。何故なら、ほとんどの食中毒菌の症状が、「下痢、吐き気」で、個人差によって「頭痛、倦怠感」があるのですが、正直、症状だけでは特定するのは困難です。

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あくまで、お客様が海鮮系の料理を注文していた、と言うだけで推測しております。
鶏肉等に多い、カンピロバクター、肉、野菜等に多い病原性大腸菌類、煮込み料理に多いウォルシュ菌も、それを扱った手の洗浄が不十分だと、どの食材も原因食材になり得ます。
よく、テレビで食中毒のニュースが流れますが、あれはたまたま食中毒菌を保健所が検出出来た(例外はあります)ケースで、ほとんどは原因不明により、うやむやになる場合がほとんどです。
さて、そんなこんなで、あまり当てにならない調査結果が出たところで、お客様に再度対応に当たらなくてはなりません。
えっ?だれが対応するかって?
野暮なことは聞かないでください。その為に、雇われサラリーマン店長がいるんじゃないですか。
次回は「対応編」です。
手洗いは大事。

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