飲食店店長の東北の地酒個人的素人レビュー 秋田編

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秋田の酒って言うと、「雪国!きっと熱燗に合うお酒ばっかり!」って勝手なイメージでしょうか。でも実はそんな事は無くって、冷で楽しめる純米吟醸系のバリエーションが豊富な国なんですよね。どっちかというと、山形のお酒のラインに近いかなーって勝手に思ってます。ただ、全国的には「高清水」が印象強すぎで、他の銘柄はいまいち目立たないんです。それも含めて、いざ秋田!

高清水

と、いいながら早速この銘柄です。正直秋田の最大手であることは間違いないですし、他の蔵元さんも、「高清水はすごいよねぇ」と一目置く存在。

宮城の一の蔵同様、大量生産しているにもかかわらず、徹底した品質管理で毎年味が全くぶれません。辛口の本醸造だろうが純米大吟醸だろうが抜群の安定感。しかも、純米大吟醸でさえ一升瓶で3千円位。

しかも前衛的にスパークリング日本酒の走り、「澪」を展開。最近では加温熟成タイプの「解脱酒」をデビューさせるなど、話題に事欠かない酒蔵です。

味わいですか?まぁ、無敵帝国のお酒ですから突っ込みどころは全く無いです。ですが、そこが致命的といえばそうで、その蔵独特のクセ、が無いと言う所が仕方ないんでしょうが、「普通に旨い」。なので賛否両論分かれるような「感動レベル」のときめきが無いのが欠点といえば欠点でしょうか。

おすすめは「上選 本醸造 辛口」一升瓶千円ちょっとのお酒ですが、ビリビリの熱燗にしてひれ酒なんていいもんですよ。

一白水成 福禄寿酒造

地元の水と米で作られた、秋田の銘酒。酒蔵の周りには見事なぐらい田園が広がります。本当に他に何にもありません。

ここのおすすめ、というかこの酒蔵が一番力を入れているのは特別純米酒とか吟醸系なのでしょう。やたらとそのバリエーションが一杯あります。

味わいの特徴はとにかくきれいな味、というか透明感ですね。これなら日本酒が苦手な方でもすんなり受け入れられると思います。合わせるお酒について少々悩みますが、ここは素直にいぶりがっこであわせようとした所、いまいちでした。チーズとかの方がむしろ合いました。なんでしょう、ワインに近いんですかね?

ここの一押しは特別純米酒です。生半可な純米吟醸よりもずっと「磨かれた感」はあるので、ちょっと高めですけどお値段の価値はあるかと。

新政 新政酒造

ワインぽい秋田の日本酒の真打ですね。すっきりさわやかのNO.6を始めて飲んだときは、もう、「全米(こめ)が泣ける」位、どこかのCMみたいですが、果実感全開でした。

そんな革新的なお酒を醸し出してますが、歴史的には秋田最古参の酒蔵です。歴史に裏打ちされた基本がしっかりしているから、こういった遊びのお酒でもいいパフォーマンスが出来るのでしょうね。合わせるならこれは素直に洋食、カルパッチョとかでもいけるかと。ピッツアもあり。ですが惜しむらくは、当店ではそのような料理はご用意していないのでした。

この他、秋田には、「まんさくの花」「白爆」など、すっきりフルーティ系の銘柄が並びます。どちらかといえば熱燗より冷でいきたいお酒が多いようなイメージです。時代の流れがそういったお酒を求めているのか、それとも単に秋田県の特色なのか。どっちかわかりませんけど、隣県の山形と並んで、フルーティ日本酒の王国なんですなぁ。

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