飲食店店長の東北の地酒、個人的素人レビュー その2 伯楽星編

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これは私の持論なのですが、地酒の種類で悩んだら、一番安いのを飲んでみることにしています。一番安い=一番売れるお酒に妥協しない酒蔵の日本酒は、ぶっちゃけなにを飲んでも美味しいし、安定してますから。逆に純米吟醸とか純米大吟醸などの単価が高いお酒のラインナップばかりの酒蔵には少し疑問を感じます。おそらくその方が売上高が上がるからなのでしょうが、それなりにいい酒米を使用して、それなりに手間をかければいいお酒は造れるでしょう。素人が作る訳じゃないんだから。でも、それはベースの低単価のお酒造りに対する自信が無いのでは?と疑いたくもなります。

「伯楽星」新澤酒造店

究極の食中酒、このフレーズでそれまで「あたごのまつ」という銘柄一本でマイナーな存在から一気に宮城を代表するほどの蔵元に急伸しました。各メディアとのコラボレーションや、日本酒ばかりでなく、梅酒、果実酒、ヨーグルト酒と女性向けのラインナップも充実です。一番驚いたのは、俳優の福山雅治さんとコラボレーションした「残響」という名のプレミアム酒。驚く無かれ、「仕入れ値」で四号瓶が32,400円(!)です。一体いくらで売ればいいのでしょうか。精米歩合5%なのはわかるけど、私の給料ではとても飲めません。ボトル売りしか出来ないので試飲も出来ません。

ですが、気前のいいお客様がそれをなんと注文しました!売値は40,000にしたのに!そして、「店長、お前も飲めよ」と私に一杯勧めてくれました。

味は絶句です。水の香りがする酒?酒の香りがする水?いや、絹か?もうこのレベルの味わいになると私の味覚データにないのでどうにも判別出来ませんでした。

まぁ、そんな非現実的でないお酒のことはさておいて、「伯楽星 特別純米」これのレビューを。この銘柄こそ、この蔵元のマスト銘柄で、一応飲食店向け販売銘柄と言うことになってますが、なぜか百貨店などで手に入ることがあります。さて、テーマの「究極の食中酒」のお味なのですが・・・。

おそらく、最初口にすると、「香りもあるし、すっきりしているにはそうだけど、なんか物足りないような・・・。でも皆美味しいっていうし、なんか固いって言うか、自分の味覚が変なのかな・・・?」

と、思った方、正解です。

この銘柄は蔵元さんも言ってますが、敢えてそういう仕上がりにしてあります。食中酒というテーマで造られているので、試しに料理を食べている合間に飲んでみましょう。お刺身などの淡白なものより、出来れば濃い目のソースを使用した料理、鮪や鱈の照り焼き、牛肉のソテーでもいいですね。すると、不思議なもので足りなかったコクが埋ると言うか、日本酒がまろやかになってきた感を味わえます。個人的には。だからお酒がやたらと主張しないんで料理を邪魔しないんです。

ちなみにこの伯楽星の純米大吟醸、大吟醸などプレミアムなお酒もありますが、そちらはちょっとお酒が主張しすぎている感は否めません。高いからしょうがないんですかね。

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