誕生日、サービスを強要するクレーマー

Pocket

「今日、この方が誕生日なの!」

あなたが飲食店のスタッフだとして、お客様に言われたらどうしますか?まずは、「それはおめでとうございます!」とお祝いの言葉をかけますよね。ほとんどの場合。いや、それが普通でしょう。それで話が終わりかと言えばそうではありません。

いや、それで終わってくれれば問題ないのですが、では何故、わざわざ見ず知らずの飲食店の従業員に誕生日を知らせたのでしょうか、ここが問題です。

勿論、それでほのぼのとお祝いムードで終わる場合もあります。問題は、その後、長い沈黙。

「で?」

無言のプレッシャー。当然何かサービスがあるでしょうとの要求。いや、無言の要求どころか直接、

「何かサービスあるんでしょ?」

と直接要求してくるケースもあります。

確かに昨今、誕生日にご来店のお客様に何かしらのサービスを提供しているお店は数多くあります。ただ、それは誕生日サービスの店から送ったハガキをお持ちのお客様か、予約時に誕生日祝いだと言われれば、デザートを小さな誕生日ケーキにするくらいはやれます。

いきなり席で誕生日記念日言われても、よほどのお得意様でない限り、満面の笑みで「おめでとうございます!」は言いますが、それ以上のサービスを提供する義務はありません。まぁ、アドリブで小さいデザートくらいは頑張って用意しますが。

ただ、それはある程度小回りのきくレストランや個人経営のお店での事で、ファミレスや全国チェーン店でそれらを要求されてもそりゃできなくて当たり前です。

それでも、「そこであえてサービスする事が感動のサービスなんだよ。」という飲食業の経営者がたまにいますが、やるのであれば、この時はできる、この人には出来ないという不公平はあり得ません。全国全店で全員にやらなくてはなりません。なのできなくて当たり前です。

私も、そこそこのチェーン店で働いていた時にやはり、席で誕生日を告げられたので、「おめでとうございます」とお伝えした後、レジでお会計の時に、「この店は誕生日の客に何も出さないの?ひどい店ね」とクレームをつけられました。

誕生日なんだからお店はサービスして当たり前、そう考えているお客様がいるのは、それだけ飲食店全体が少しでもお客様に喜んでもらおうと誕生日サービスを拡充してきたことの表れなのでしょうが、誕生日サービスが無い=サービスの悪い店、という逆の影響も拡充してしまったようです。

他所よりもお金と手間をかけて良いサービスをと追求してきた飲食店ですが、サービスの基本は笑顔と気持ちであってほしいと思います。そしてお客様にもサービスは全てが当然に享受できるものでは無いと認識していただきたいのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です