若者の酒離れ。そして変わっていく日本酒。

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春。出会いと別れの季節。

店の予約は送別会で一杯です。でも最近のトレンドは、従来通りのお酒絡めての宴会は相変わらずですが、敢えてお昼時に「酒なし」でランチ送別会なんてのも目立ってきました。時代の流れですかね。特に若い方や、女性の送別会に多いです。その傾向を引き継ぐ形で、歓迎会シーズンもお昼時でのシーンが増えてきたように思います。

まぁ、若い方に合わせてあえてのお酒なし、なのでしょうか。最近では「アルハラ」なんて言葉もあるくらいですから。

でもなぁ、そういう席を通じて、「お酒の飲み方」や「目上の人間とお酒を楽しむためのマナー」ってものを学ぶんじゃないの?って思うのは、私も古い人間の方に入るからなんでしょうか。

それに・・・、その酒なしの送別会、歓迎会って店側としては料理と飲み物を少し出してすぐに終わりだから、人員もそれほど割かずに楽といえば楽なんですけど、やっぱり単価が低いので売上に繋がらないんですよね。

昨今の若年層における「酒離れ」については語られるようになって随分久しいです。

確かに20代、30代の飲酒率は10年前に比べると10%位下がっているそうです。実際ビール会社の営業マンの話を聞く限りでは、ここのところ、ノンアルコール飲料の売上はまずまずだけど、ビール売上は低迷し続けてるそうで、活路として、低アルコールのミックスドリンクやカクテル、単価が安くて手軽に飲めるハイボールなどに活路を見出そうとしているようですが、なかなか苦戦しているようです。

日本酒の蔵元さんはもっと深刻で、一時は東北の酒蔵は「震災復興景気」で飛ぶようにお酒が売れた時代はありましたが、あれから7年も経つとさすがにその追い風も止んでしまい(そもそも日本海側の酒蔵はその復興景気の恩恵すら受けていない)、現在苦境に立たされている、といった現状のようです。海外に販路を見出したり、伯楽星の新澤酒造さんのように様々なメディアとコラボしながら知名度を上げている所は別のようですが。

頼みの年配の方々ですが、40代、50代の方々は景気の冷え込みから懐事情が厳しく、出来るだけ手頃な居酒屋か、最近増えてきた「ちょい飲み」業態、ファミレスなどでお酒を嗜むようになりました。もっとも、お通し代も取られない、意外と料理に幅があり、明るい店内の雰囲気で居酒屋より空いているファミレス飲みは私もたまに利用しますが、「悪くない」と思います。というか、相当世の中の居酒屋にとっては「超強力なライバル」といって過言ではないでしょう。

60代を超えると、今度は別の問題が。「健康面」でのお酒を飲まない人が増えてきます。これは今も昔も変わらないのですが、昨今は健康ブーム、という事もあるらしく、健康診断で肝臓系が引っかかったりすると、すっぱりお酒をやめる人が多いようです。これはとてもいい事なんですが・・・・。

まとめると、今のご時世、昔よりお酒を飲むのは、それまで社会進出をしていなかった女性達、ということになるんです。積極的に社会進出を果たし、経済的にも余裕が出来た女性達が外食消費、特にお酒市場の主役になりつつある訳ですね。男女合わせての割合はまだ少ないですが。でもそれも、出産や子育て期間中にそれほど飲む機械が無いだけだからでしょうね。

と、なると、やたら女性受けする「インスタ栄え」の商品や、やたら「ワインっぽい甘口」の日本酒が発売されるのはその辺に理由があるのでしょうね。

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