招き猫はお金や人を招くというが・・・。捨てないで!猫。

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こんにちは。当ブログにお越しいただき、誠にありがとうございます。

 

今日は近所の捨て猫の話。とても切ないです。

 

うちの店が入っているビルの隣に老婆が営む小さな理髪店がありました。お世辞にも繁盛しているとは言えませんでしたが、常連のお客さんだけ、たまに姿を見かける程度です。

 

最近、その店が閉店しました。理由は、店主が高齢になり、健康上の理由からやむを得ずの閉店。人は永遠に生きられるわけではありませんから、後を継ぐものがいなければ、いずれは訪れる現実。

 

閉店を知らせる張り紙は店主の手書きで、その字体にはその方の生真面目さが表れるような達筆で、それでいてどこか美しく、一つの時代をひっそりと終える、一人の女性の決意と、はかなさを感じずに入られませんでした。

 

そしてその店は閉店しました。自宅兼店舗、その毎日の柔らかな日差しが差し込んだ店内は、もともとお客さんがいた訳でもないのに、閉店したとたんに、まるで廃墟のように生気を失っていきました。人がいるといないとでは大きく違うのですね。

ただ、以前と大きく違うことがさらに。猫が子猫親猫、やたらと近所をうろうろするようになりました。おそらくこの理髪店で飼われていたのか、野良猫がこの店で餌付けをされていたのか、とにかく主を失ったこの猫達が通り行く人々に餌をねだる様になりました。

 

当然こちらは飲食店です。一日中食べ物の匂いはします。そこで働いている人間からはさらに。その愛くるしい表情と泣き声にほだされたのか、どうやら誰かがごみ捨てのときに餌をあげたらしく、うちの従業員を見かけると、すぐさま寄ってきてなにかをねだるように声をあげます。

 

基本的に飲食店で動物は歓迎されません。それは勿論衛生的な問題からなのですが、だからといってそれまで知らない仲でも無かったのでぞんざいには出来ません。

 

そうこうしているうちに、いつのまにかうちの店の裏口辺りのゴミ捨て場にすっかり落ち着くようになってしまいました。

 

以前飼っていた店主はその後の人生を考えれば、推定80歳です。子猫を飼い続けるのは難しかったのかもしれません。しかし、であれば店主の家族や、知人は何とかできなかったのだろうか、と思います。

 

飲食店には相容れないものなので、店内に誘導することは出来ませんが、店の看板の辺りですっかりくつろいでたりすると、どかそうにもどかせません。

 

従業員にも餌を与えないようにお触れを出しましたが、どうやら通行人やお客さんがご飯をこっそり与えるらしく、すっかり人間を恐れなくなりました。しょっちゅう店の周りをうろうろしています。

 

実は私も家で猫を飼っているので、可哀想に思う気持ちはわかります。ただ、だからこそ、ちゃんとしたお家にもらわれて欲しいという気持ちが強くなります。一時的な感情でご飯を与えるのは、やさしさに見えますが、その後、猫達はまたご飯がもらえるかもと、ずっとご飯をねだり続けるのです。むしろ、早々に保健所に引き取られて、需要のある子猫のうちに里親が見つかるのがベストだと思います。

 

それに、何がつらいかって、以前理髪店があった場所は更地になりました。しかしそれでも猫たちは同じ場所に戻ってくるのです。あるはずの無い建物を探しながら、あの店主のぬくもりを探しながら空を見つめる猫たちの姿を見るのは正視に堪えません。

 

うちに連れて帰ろうかと思った事もありましたが、うちの猫はとにかく臆病なので、かえってストレスななりそうなのでそれは断念しました。

 

おそらくこの理髪店の店主も、「隣は飲食店だから食べるには困らないだろう。」と置いていったのかもしれませんが、個人経営店主ならともかく、サラリーマン店長には移動がつき物なので、その猫が生涯を終えるまで、ずっとその店でお世話をすることは出来ません。

 

なのでお願いです。飲食店のまわりに猫を捨てるのはやめましょう。むしろ可哀想だとおもうなら、里親を探してあげるなり、自身で責任を持って飼ってください。

 

さて、今日のところはこの辺で。本日はご来店いただき、誠にありがとうございました!!!

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