意外と知らずにやってる、「優越的立場の濫用」~恵方巻きとか~

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こんにちは。当ブログにご来店いただき、誠に有難うございます。

 

さて、今日のお話はタイトルにもある通り、飲食店の店長、調理長ならまず間違いなく心当たりがあるといっても過言ではない、「優越的立場の濫用」についてです。

 

初めて聞く言葉だし、なんのこっちゃ?」

 

という方も多いかもしれませんね。実は私もこれを知ったのはごく最近です。年が明けてそろそろ当店のような和食をテーマとした料理店では毎年「恵方巻き」の予約販売の準備をするのですが、その販売数で多くの割合を占めるのが、「取引業者」だったんですね。

 

ところが、今年は上司から早々に、「取引業者については無理な強制販売は自粛する事」とお達しがありました。おやおや、去年までは取引業者さん全従業員分のお昼御飯が恵方巻きに、いやその家族の分も、というくらい購入してもらっていたのに、今年はそこまでするな、と。

 

詳しく話を聞くと、最近の世間の風潮として、パワハラ、カスハラ(カスタマーハラスメント)などに代表される、権力、顧客など強い立場を利用した横暴については風当たりが強いらしく、昨年度のおせち料理販売についても、取引業者に対しての脅しとも取れる販売態度を取った店があったらしくそれが問題視されている、との事でした。

 

つい最近は従業員におせちだのクリスマスケーキだのノルマを課して、未達成の場合は買い取らせる行為がブラック企業だと騒がれていたのに、今度はそれが聞こえなくなったと思ったら取引業者にしわ寄せが行ったのでしょうか。

 

こういった、取引先という強い立場を利用しての業者叩きは昔からありましたが、とうとう世間の風潮がそれを許さなくなった、という事でしょうね。この「優越的立場の濫用」この他にも

1.購入の強制

今後の取引に影響を与えることを匂わせ、商品を購入させること。

おせちを買わないと取引やめるぞ!とかいう奴ですね。

2.協賛金等の負担の要請

合理的であると認められる範囲を超えた協賛金などを負担させること。

今度周年祭をやるから、ビールの樽何本か協賛してよ!とかよく聞きます。

3.従業員等の派遣の要請

取引相手に対し、派遣費用を負担することなく自己の利益にしかならない行為を要請し、従業員などを派遣させること。

お店のヘルプの依頼のケースもありますが、魚をおろしてから持ってこい!とかいうのもコレに近いですよね。

4.その他経済上の利益の提供の要請

正当な理由がないのに、当初の発注内容に含まれていないものを要求すること。

5.受領拒否

商品の購入を契約した後、正当な理由がないのに受領を拒否すること。

価格が安い時に大量に発注して在庫を押さえたのに、売れて捌けてないからと納品を拒否する事ですねー。

6.返品

正当な理由がないのに、受領した商品を返品すること。

コレもなかなか最低です。納品させといて売れなかったから返品するとか。

7.支払遅延

正当な理由がないのに、契約で定められた期日に支払を行わないこと。幾ら何でも支払期限は業者にとっては生命線ですから、これも無しですよね。

8.減額

商品を購入した後、理由なく契約で定めた対価を減額すること。

これも7と同じ。

9.取引の対価の一方的な決定

取引相手に対し、一方的に著しく低い対価で取引を要請すること。

でも、他の業者がかなり安く出してるのなら、競争は必要ですから、致し方ないです。

10.やり直しの要請

取引先から商品を受け取った後、正当な理由なく何度もやり直しを要請すること。

いった具合で、どうでしょう?心当たりがあるんじゃないでしょうか

 

罰則もあり、これらの事実が認められば、最悪罰金刑もありますが、なにより、この事実に関係した会社名が公正取引委員会によって大々的に公表されてしまうのがイメージが大事な企業にとっては一番ダメージが大きい所でしょうね。

 

 

世間的には問題なく歓迎の風潮ですが、敢えて言うと私的には、そこまでビジネスライクしなくてもいいんじゃないのかなと思います。おせちだ恵方巻きだのを協力してくれた業者さん、やっぱり借りが出来ますから、その業者さんが困っている時、例えば売れ残った魚だったり、ノルマの決まっている酒の頒布会だったり、営業成績の伸びてない求人営業担当だったり、何とかしてあげたくなるのは、人と人とのつながりなんじゃないか思いまして

 

情報化社会が加速している世の中ですが、情報は「」に「報いる」方が、私は好きです。なんつてそれでは本日のご来店誠に有難うございました。またのご来店を心よりお待ちしております。

 

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