山菜を飲食店で100倍美味しく食べさせる方法

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まだまだ春なので山菜の季節ではあります。独特の苦みの中に感じる甘味とみずみずしさがこの季節ならではの楽しみでもあります。うるい、こごみ、ふきのとう、タラの芽、甘草、etc…..。ただ、これらの食材は、扱いを間違うとただの「草」になってしまいます。いかに提供時にその価値観を伝えるか否かが、外国人から見ればただの「草」を美味しく食べさせるかどうかの分かれ目になる訳です。

にもかかわらず、最近よくある残念なお店は、メニューには○○産とは書いてあるものの、実際提供するときには「山菜の天ぷらです」とだけ言い残して置いて行ってしまう悲しいお店。提供しているのが日本語もままならない外国人スタッフならまだわかるが、どう見ても純日本人なのにもかかわらず、ろくに説明もしないなんて・・・・。

もちろん店の事情も分かります。きっと人手不足で教える暇が無いのでしょう。従業員も説明する暇が無いのでしょう。でも、このひと手間、たった10秒位、

「今日の山菜は●●産のうるいとタラの芽、ウドを天ぷらにしました。苦みの中にある甘味を引き立てる為に、添えてあるお塩でお召し上がりください。」

これぐらい、テレビアナウンサーじゃなくても言えるでしょう。数秒位で。でもそれを言わなくてもいいと思っている意識の裏側には、お店側の、

「言わなくてもわかるでしょ?」

というエゴが隠れてたりするんですね。でも、よーく考えよう。

「一般の人が山菜の名前や違いなんてわかるわけないだろ!」

そうなのです。今の日本人、よほど山里近くに住んでいるか、山菜取りをしている人でない限り、山菜の区別なんてつきません。外国人が日本人が山菜を食べている姿を「草」を御馳走として食べている人種、と思ってしまうのと同じように、今の大半の日本人にとって、山菜は言われなきゃただの「草」でしか無いのです。

せいぜいふきのとう、タラの芽位は区別はつくでしょうが、こごみとゼンマイの区別は殆どの人が出来ないと断言できます。

なので、そこを説明しないと、お客様は何を食べているかわからず、まさに「草」を高いお金を出して食べている感覚に陥ります。

たった一言、説明があるかないかで、「草」から「高級食材」に昇進するこの山菜、もうすぐシーズンが終わりそうですが、日本の伝統的食材です。大事にしていきたいものですね。

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